レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「華麗なる大泥棒」思うにこの作品からベルモンドの新境地が開けたのでは…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「華麗なる大泥棒」(1970)です。

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ジャン・ポール=ベルモンド氏は今月6日に亡くなりました。ホントに残念です。マクロン大統領は彼のことを「ル・マニフィック(偉大な人)」と呼びました。その通りだと思います。

今日のご紹介する作品は、どちらかと言えば緩い作りのスター映画ですが、監督がアンリ・ヴェルヌイユなのでなかなかどうして捨てたものではありません。特に「大頭脳」辺りから見え始めていた彼のスタントアクションを前面に出した作品と言っていいでしょう。極論すればそれだけの作品です。

 

アテネらしき港街に集まった男三人と女一人、アサド(J・P・ベルモンド)、ラルフ(ロベール・オッセン)、レンジー(レナート・サルヴァトーリ)とヘレン。豪邸に忍び込みエメラルドを奪ったものの悪徳刑事ザカリア(オマー・シャリーフ)に嗅ぎつかれる。とんづらする貨物船は修理が必要になり、アサドとザカリアの丁々発止の戦いが始まるのだが…

 

ベテラン、ヴェルヌイユ監督なのでうまく纏めています。冒頭の叩きの場面、小道具がなかなか面白い。フイアット124とオペルのカーチェイス、乗合バスに捕まったアサドとパトカーとのアクション、ラストのザカリアとの対決迄飽きさせません。但し、前述したように全体に冗長ですが。

以後、「恐怖に襲われた街」(1975)を頂点にベルモンドは、「危険を買う男」「警部」「パリ警視J」から「ハーフ・ア・チャンス」迄スタントアクションに精を出してワル達をあの世に送りました。

ヌーヴェルヴァーグの作品で名を上げ、色々な監督に愛されて70年代からはアクションスターとして再び花を咲かせたベルモンド、本当に素晴らしい俳優でした。

最後にもう一度、「ル・マニフィック」に相応しい男でした。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。     八点鍾

 

追記 彼の作品で見たい映画が2本あります。一つはマウロ・ボロニーニ監督「ビアンカ」、もう一つがメルヴィル監督「フェルショー家の長男」手に入れたらブログにアップしますのでお楽しみに。無理かもしれませんが…

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www.youtube.com

 

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ビアンカ

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       フェルショー家の長男 左がメルヴィル監督

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いずれも「フェルショー家の長男」カナダで撮影した映画 カラー作品と聞いています。