レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ヒンデンブルグ」(1975)です。
懐かしい作品です。丁度この頃、日本映画界はパニック映画が中心で、この作品もパニック映画として公開されたことを覚えています。加えてあの「バリー・リンドン」公開から1週間遅れで公開され、だからいくらロバート・ワイズ監督作品といっても、キューブリック監督には勝てませんから興行的には大変だったと思います。まあ「バリー・リンドン」も興行的には大変だったと後で聞きましたが。
映画は、マイケル・M・ムーニーの小説をもとにヒンデンブルグ号爆発事故をグランドホテル形式、あの「オリエント急行殺人事件」スタイルで作れられたサスペンススリラーになっています。監督が良いんですね、「拳銃の報酬」「ウェストサイド物語」「たたり」「砲艦サンパブロ」「アンドロメダ…」の名匠ロバート・ワイズ、でも、当時この作品の評価はあまり良くありませんでした。当時、日本の批評家が劇中日本の札(千円札)登場し、時代考証が出来ていない空虚な大作なんてボロボロ書いて、実際その通りで千円札がチラリと画面に出てきます。でも、飛行船内部、アルミで作られた骨組み、縦通材、16個の木綿性ガス嚢なんか正確に再現していて、更にアルミニウム製ピアノまで登場するのですから、少し悔しいですね。
今回、再見して良く出来た作品だと確信しましたが、肝心のヒンデンブルグ号大爆発シーンが記録映像の為、意外に盛り上がっていないことがよく理解出来ました。ここなんですよ、この作品の最大の欠点はいまならCGで物凄く上手く表現出来るのに。
ても、反対にSFXによるヒンデンブルグ号の飛行シーンは素晴らしいのですが。特に北海上空で飛行船左水平尾翼の外皮修理シーンはなかなかの迫力でこの映画、一番の見せ場です。ルフトヴァッフェから移動してヒンデンブルグ号の保安主任となるリッター大佐をジョーシ・C・スコット、ウエスラ伯爵夫人をアン・バンクロストとキャスティングも少し渋い。
デヴィッド・シャイアの美しい音楽に包まれて、蒼空を悠々とと飛行するヒンデンブルグ号は本当に美しく、その映像は私のみならずすべての人を癒してくれるのは間違いありません。
このブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鍾
追記 その昔、仕事でフリードリッヒスハーフェンを訪れた時、ツェッペリン博物館に行きましたが、定休日で閉館していました。残念でした。
www.youtube.com 画質が良くありませんが…