レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「お嬢さん」(2016)です。
監督が「オールド・ボーイ」のパク・チャヌク、でも米国で製作した「イノセント・ガーデン」が彼らしさが出ていなかったのであまり期待せずに見ましたが、あの「オールド・ボーイ」を彷彿させる映画で安心しました。この作品、独特の話術が素晴らしく、且つ映画の隅々までティテール残った作品になっています。
映画は、三部作になっています。
第一部は、大日本帝国統治下の朝鮮。藤原伯爵と名乗る詐欺師と根っからの盗人スッキが身分を偽り、上月男爵に庇護されている姪秀子を騙して、藤原伯爵と結婚するために日本に駆け落ちさせ、日本で結婚。秀子を精神障害施設に入院させ、スッキと伯爵は秀子の遺産を山分けする計画を立てる。計画は上手く行き、精神障害施設に秀子を入院させる時、実は伯爵と秀子は内通しており秀子の代わりにスッキを口封じの為、入院させられる。
第二部は、秀子と上月男爵の関係、伯爵と秀子の陰謀について描かれています。
第三部は、もう一つ別の陰謀が描かれており、それは…
とても面白いどんでん返し映画になっています。そのプロットの組み立て方、うーん、美しいと思います。原作はサラ・ウォーターズの「荊の城」。
そしてもう一つ、上月男爵は変わった方で、好色な好事家と言っていいでしょう。和洋折衷の邸宅、これが良いんです。さらに、好色な希少本の愛好家、ぞの蔵書室、そこにある地下室。定期的に同じような好色紳士達を集めて開催される好色稀少本の朗読会、クスクスと笑いがこみ上げる程楽しく描写しています。この辺りの描写が本当に素晴らしいと思います。
と言う作品で、なかなか見応えにある作品になっています。ご覧になっていない方は是非鑑賞して欲しいと思います。但し、官能描写もありその手の作品が嫌いな方は駄目かもしれませんが。
このブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鍾