レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「パリ警視 J」(1983)です。原題Le marginalとは、ヤクザ者、ワル、ならず者と言うような意味です。
この映画は、もう完全にジャン=ポール・ベルモンドにおんぶしたスター映画です。だから、ベルモンドはいつものようにアクション、アクションはいいのですが、旨味の無い映画になってしまい、もう少しホンが良いともっと良い映画になるのですが。
口の悪い人は、特殊改造したフォードムスタングの疾走シーンとガンマニアの間で話題になった対テロ用特殊拳銃ベレッタ93Rの銃撃シーンだけと。
映画は、マルセイユで手荒く麻薬密輸犯を扱ったジョルダン警視(J・P・ベルモンド)は、パリに召喚されがここでも密告者殺害容疑で風紀課へ左遷。ジョルダンは陰で糸を引いているメカチ(ヘンリー・シルバー)と対決することになるのだが…
まるでバート・レイノルズ主演、監督「シャーキーズマシン」のようなストーリーで、途中、フリードキン監督「クルージング」のようなシーンもあり、ハリウッド映画の向こうを張ろうとしているのは判りますが。
全体に緩い映画になっていますが、例えばオーバーフェンダーのフォードムスタングの疾走シーン等は結構良く出来ています。折角、ヘンリー・シルバーが共演しているのだから、ラストはコテコテのアクションにして欲しいと思います。ベルモンドが大好きと言う人であれば、まあ許してしまうかなと思いますが。
監督は「太陽が知っている」「ボルサリーノ」のジャック・ドレー、音楽エンニオ・モリコーネと充実しています。そうそう、この作品には、「ニキータ」「ジャンヌ・ダルク」のチョッキー・カリョが端役で出ています。
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鍾
追記 この間頂いたチェイサーさんの資料によれば、ベルモンド主演映画興行成績第4位と言うことですが。普通のフランス人男性はこういう映画がお好きなんですね。私はまあ悪くないと思いますが、日本だとちょっとね。