レタントンローヤル館

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「聯合艦隊司令長官 山本五十六」あの山本五十六を描いた半藤一利版ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「聯合艦隊司令長官 山本五十六-太平洋戦争70年目の真実-」(2011)です。

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映画は、今年の1月に亡くなられた半藤一利原作「聯合艦隊司令長官 山本五十六」をベースにされていますが、概ね東宝映画「連合艦隊司令長官 山本五十六」(1968)と同じです。但し、もう殆ど当時の人達が亡くなられているので遠慮くなく描かれていること、例えば軍令部総長永野修身の描き方等、又帝國海軍の至宝と言っていい井上成美が結構描かれていること、同様に山本五十六戦死時、航空参謀樋端久利雄も同様に描かれていること等、結構考証は良いと思います。

でも、一番の特徴はマスコミ「東京日報」の描き方でしょう。その主幹を演じる香川照之は楽しそうに演じています。マスコミの無能さ、愚劣さ、尊大さ、変わり身の早さ等今の時代のマスゴミの様に描かれているのが最大の特徴でしょう。

言われていることですが、オールドメディアとしてのマスコミ情報の不正確さと言うより変なバイアスの掛け方が、一般大衆の信頼を失わせていると思います。

「長岡甚句」から始まるこの映画、良く出来ていると思います。70年目の真実と謳われていますが、そんなに目新しい真実は出てきません。でも、SFXも良く出来ていると思います。特にミドウェイ海戦、豪雨の中、山本長官が鎮座する戦艦大和を含む聯合艦隊のシーン、最後の山本長官が搭乗した一式陸攻がブーゲンビル島上空で米P-38に急襲され、護衛零戦隊が落下増槽をリリースして迎撃に向かうショットなどなかなか見せてくれます。うーん、美しいです。ですが、全体にスケール感が無いのが欠点と言えば欠点でしょう。

東映が山本五十六の映画を製作中と聞いて「あゝ決戦航空隊」のような作品だったらどうしようかと思いましたが杞憂でした。主演役所広司は軍人には不向きかなと思いましたが、なかなかどうしてどうして立派でした。監督は成島出、共演は榎本明、稲葉敏郎、阿部寛、原田美枝子、宮本信子等。

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。      八点鍾

 

追記 どうしてこの作品かって、だって12月ですから…

もう一つ、井上成美は「新軍備計画」を立案、それは卓越した軍備計画であった。実際、米軍はその通りに日本侵攻を果した。

 

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