レタントンローヤル館

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「影武者」トニー・リチャードソン監督「遥かなる戦場」を思い出させる黒澤明監督重量級力作…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「影武者」(1980)です。

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あの「トラ・トラ・トラ!」事件以後、黒澤監督は大変でした。良い映画でしたが黒澤らしくない「どですかでん」の興行的な失敗、自殺未遂とかでなかなか立ち上げれなかったのですが、ソ連で「デルス・ウザーラ」を製作、ようやく一息ついたところで、念願の「影武者」を製作します。

この作品は、武田信玄が野田城攻めの時、鉄砲足軽に撃たれそれが原因で死去し、信玄の弟信廉(山崎努)が河原で処刑される罪人が兄信玄に生き写しだったので影法師として拾ってきた男(仲代達也)を信玄として、織田信長、徳川家康らの目を誤魔化そうと企むが些細なことから露見して、長篠の戦で壊滅するまでを描く。

当時、この作品は物凄い期待を観客に抱かせたと思います。私はあの稲垣浩監督三船敏郎主演「風林火山」(1969)の様な作品を更にスケールアップしたものと期待していましたが、この作品は別のスタイルで作られていました。私はラストを見て、えっと絶句しましたが、これはこれでとても良かったと思いました。

10年ぶりに鑑賞したこの時代劇、物凄く良いんです。時代考証が物凄くて、もう素晴らしいと思います。黒澤監督の執念みたいなものが感じられ、加えてエイゼンシュタイン監督「イワン雷帝」、キューブリック監督「バリー・リンドン」そしてトニー・リチヤードソン監督「遥かなる戦場(進め!竜騎兵)のリメイク作品」を彷彿とさせて、もう言うことありません。

映画は、勝新太郎降板とか色々ありましたが、やはり仲代達矢とてもいい、少し勝新らしい演技もあって、受けの演技の山崎努はもっと良いかな。

冒頭、信玄、信廉、影法師の長回しのシーンからラスト敵弾に撃たれフラフラになった影法師が河底に沈む風林火山の御旗を見つけて拾い上げようとして川に斃れる迄、大変良く出た作品だと思います。

一つだけ言わせてもらうと、高天神城を巡る攻防戦、夜のシーンが多く良く分からなかったこと。その昔、劇場で鑑賞した時もそうでしたが、今回見たBD版は、劇場より良いかなと思いますが、何かつぶれている感じで。不満を言えばそれくらい。とても良い映画でした。                八点鍾

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追記 この作品、勇猛果敢な英国竜騎兵がクリミア戦争でロシア軍砲兵陣地に突撃シーンが素晴らしく、何かこの「影武者」と被るのです。

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