レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ハンガーゲーム」(2012)です。
映画は、近未来、独裁国家パネムの"刈入れの日"から始まります。それは、過去に起きた反乱で反乱防止を目的に12地区から12~18歳までの男女1組を選出し、殺し合う殺人ゲームを行っておりその1組の男女を選出する日だった。
その日、カットニス(ジェニファー・ローレンス)の妹が選ばれるのだが、身を案じたカットニスが彼女の代わりに志願をすることになった。もう一人仲間ピーターと共に首都キャピトルに向かい、ハンガーゲームに挑戦することになる。勝者は一人、彼女は帰ってこれるのだろうか…
この作品は、日本で公開された時余り高い評価は得られませんでした。理由は「バトルロワイヤル」との近似性でしょう。今回、改めて鑑賞して意外に重いテーマを扱い、まあうまく纏め上げた作品だと思います。ただの殺人ゲームという暴力アクション映画ではないと思います。シリーズとして更なる殺人ゲームから革命内戦、独裁国崩壊まで進むのですから。
そういう意味で、公開された当時ヤングアダルト小説映画化作品、例えばトワイライトシリーズと比較して、志は結構高いと私は考えています。監督はゲイリー・ロス。
この手の映画は、古くはキューブリック監督「スパルタカス」エリオ・ペトリ監督「華麗なる殺人」最近では「SAW」とか西部劇スタイルの「クイック&デッド」等あります。その内容から言えば、この作品は「スパルタカス」に近いと言えるでしょう。
近未来作品なので、もう少しセット等の造形、殺人ゲームのルール等(簡単に変えてはまずいと思いますが)、その辺りに注意してプロットを練っていけばもっと面白くなったと思います。但しセットの造形については、私はB級SFらしくて結構気に入っていますが。でも、このシリーズが本当に面白くなるのは、内戦勃発のパート3からですね。革命側の嫌らしさも出て来るので、そういう意味で良く出来ているシリーズ物と思います。
独裁国家、人間は社会的な動物です。ですから、どうしても一部にはこのように統治機構を持ってしまいます。本当に悲しいことです。
このブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鍾