レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ヘイトフル・エイト」(2015)です。
映画は、猛吹雪が迫るワイオミングの山中を走る駅馬車。賞金稼ぎルース(カート・ラッセル)と女悪党ドメルク。やがて、黒人の賞金稼ぎウォーレン(サミュエル・L・ジャクソン)と新任保安官マニックスが乗り込んでくる。馬車は猛吹雪をミニーの紳士服飾店でやり過ごす。そこにいたのは3人のだった。ミニーの代わりの店の留守番男、巡回死刑執行人、老将軍といかついカウボーイ。店は吹雪に包まれて、それは悲劇の幕開けだった…
「バルジ大作戦」に続く70ミリ映画特集で。この作品、BD版のオマケに70ミリの紹介、60年代当時のロードショーについて簡単にサミュエル・L・ジャクソンが説明しています。これが良いんですね。「カーツーム」とか「砲艦サンパブロ」とかね。
で、この作品ですが70ミリ映画、70ミリの西部劇なんて「西部開拓史」「シャイアン」位ですかね? だから、ワイオミングの雪深い山の中を行く駅馬車を追い駆けるカメラは素晴らしいのですが、"ミニーの紳士服飾店"の中での密室劇になるとね…
でも、タランティーノ監督ですからグロさ一杯で、それが最近芸の一つになって。たまらない人にはたまらない映画でしょう。私、たっぷりとタランティーノタッチ楽しみました。面白いです。戦争特攻アクション「イングローリアスバスターズ」とか「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」より面白いと思います。
雪の中での密室劇、「殺しが静かにやって来る」「ホワイトアウト」「惑星からの物体X」「シャイニング」とありますが、彼独特の話術と、サミュエル・L・ジャクソンがもう真骨頂で、ゲラゲラと込み上げてくるほど怪演、特に老将軍の息子のエピソードは、グロさを通り越して素晴らしい。これが出来るのは彼しかいないでしょう。やってくれますね。うーん、美しいです。
個人的に少し言わせてもらえば、ドメルグを演じたジェニファー・ジェイソン・リーはよくやっていますが、周りの配役に比べて少し弱いと感じました。ロザムンド・パイクが演じてラストを少し変えるとさらに面白くなるかも。音楽は巨匠エンニオ・モリコーネ、これも美しいです。
このブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鍾