レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「オリエント急行殺人事件」ケネス・プラナー監督による74年版映画のリブート作品ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「オリエント急行殺人事件」(2017)です。

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エルサレムで強盗事件を解決した私立探偵ポアロ(ケネス・プラナー)は、イスタンブールでオリエント急行に乗ってロンドンに向かった。旅は快適であったが、ラチェット(ジョニー・ディプ)が彼に近づいてきて、命を狙われているので警護して欲しいと依頼されるが、ポアロは断る。オリエント急行がバルカン山脈を抜ける頃、雪崩が発生し列車は脱線してしまう。その時ラチェットが殺され、検死を行うと12の刺し傷があることが判る。ポアロはオリエント急行のマネージャに頼まれ、犯人を捜査することになるのだが…

あの有名なシドニー・ルメット監督の74年版映画のリブート作品です。ルメット版は、豪華なオールスター映画でした。特にオールドファンはイングリッド・バーグマンがハリウッド映画にカムバックしたことにある種の感慨深い想いを抱いたようですが。生真面目なルメット監督の演出は、アガサ・クリステイー原作命と言うコアなファンには喜ばれたと思いますが、私は退屈でした。素晴らしいと感じたのは、リチャード・ロドニー・ベネットのゴージャスな音楽とポアロのメイクだけでした。

対して、この映画は退屈しないように映画用に脚色してあるので、個人的にはこちらの方が私は好ましいと感じます。さらに、ケネス・プラナー監督の演出でシェークスピア物が得意な監督ですが私は余り好きになれなく、それ以外の「フランケンシュタイン」「スルース」「エージェン:トライアン」「シンデレラ」も何か物足りなさを感じていましたが、漸く彼の力量を発揮できる題材を探し当てたように感じます。

息苦しさを感じたルメット版に対して、プラナー版は適度にカメラがオリエント急行から外に飛び出して、その風景をアクセントとして観客を飽きさせない。但し、CGが多用されて過ぎている嫌いがありますが。2時間弱の上映時間も適切だし、プラナーのポアロもなかなか良い感じで、他の配役も最適ですが、この作品の弱いところはパトリック・ドイルの映画音楽が地味過ぎるぐらいではないかと私は感じるのですが…

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。               八点鍾

 

追記 数日中には「ナイル殺人事件」をブログにアップしたいと思います。

 

www.youtube.com

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 ゴージャスなリチャード・ロドニー・ベネットの音楽

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