レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「戦場でワルツを」ドキュメンタリーアニメと呼んでもいい作品ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「戦場でワルツを」(2008)です。

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大変良く出来たアニメ映画です。1982年レバノン内戦に起きたサブラ・シャテーラ事件を描いた作品です。

アンリ・フォルマンは友人と会い、その友人が悪夢に悩まされていると聞く。それは夜野犬に追われる夢で、どうやらレバノン内戦でイスラエル軍がレバノン進行時、夜村に入る時村民が飼っている犬の射殺したので、それがトラウマになっているのだろうと。

フォルマンは翻って、20年前の兵役時代、レバノン進行があったことを思い出した。でも、何をやっていたのか思い出すことが出来なかった。記憶にぽっかりと空いた穴。彼は、戦友たちと会い、そのぽっかり空いた穴を調べ始めるのだった…

アニメでこんな作品があるとは知りませんでした。加えて、レバノン内戦時こんな事件があったことも知りませんでした。いや、ぞっとする映画です。でも、告発映画として大変良く出来た映画だと思います。見ていてジョン・フランケンハイマー監督「影なき狙撃者」とかジョージ・ロイ・ヒル監督「スローターハウス5」等を思い出しました。

コスタ・ガブラス監督の「Z」「告白」「戒厳令」「ミュージックボックス」と同列の作品ですが、アニメで仕上げている点が大変ユニークな仕上がりです。鑑賞するにつれて、アニメが実写の様なリアリティに変貌するように感じました。本当に良く出来ていると思いました。特にイスラエル国防軍が使用しているメルカバ戦車の描写が素晴らしく、こういう細かなところまで手を尽くしているところにフォルマン監督の良心というか力量を感じます。内容が内容だけにあらゆる人にはお薦めは出来ませんが、志の高い映画なので出来れば鑑賞されることをお勧めいたします。

 

現在、進行中のロシア軍によるウクライナ侵略もやがて国連多国籍軍を中心とした平和維持軍による停戦、兵力引き離し、停戦監視活動に移行するものと思いますが、この様なタイプの事件が発生する可能性があります。現にユーゴスラビア内戦では、ジェノサイド、民族浄化等多発しました。この様な悲劇が発生しないように祈るばかりです。

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。        八点鍾

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