レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「カジュアリティーズ」(1989)です。
ブライアン・デ・パルマ監督のベトナム戦争を扱った映画です。当時、あの「プラトーン」「フルメタル・ジャケット」「ハンバーガー・ヒル」等ベトナム戦争映画の第2回目のブームを迎えていました。その中で少し変わった立ち位置の映画だと思います。テクニシャンのデ・パルマ監督なのでテーマは糞重いのですが、見せてくれる映画です。
ミザーブ軍曹(ショーン・ペン)率いる小隊は、ベトナムのある村で休養中、ベトコンに襲われ無線係ブラウン伍長が戦死する。彼はあと数日で米国へ帰国できたのに。
基地に戻ると、ミザーブ軍曹は上官からベトコン弾薬集積所を見つけ出し、空爆命令を連絡する任務を受領するが、その時部下に「任務がてらに村に行って女を調達し、輪姦して殺そうぜ」それを聞いたエリクソン上等兵(マイケル・J・フォックス)は冗談かなと思ったが、ミザーブは行軍中近くの村で若い女を拉致して来た。
ミザーブ小隊は、ベトコン弾薬集積地の近くの空き家で楽しみ始めた。エリクソンは彼らの仲間に入るのを拒否したので、小隊には気まずい雰囲気が漂い、エリクソンは彼女を逃がそうとするのだが、そこにディアズ上等兵がやって来て、軍曹のいる場所へ連れていかれる。眼下には攻撃目標の弾薬集積地、攻撃を開始しようとすると彼女が咳をして、こちらの居場所がばれてしまう。軍曹は容赦なく「殺せ」と言う。ディアズはナイフで殺そうとするのだが…
まあこんな話で、映画の冒頭の敵迫撃砲でエリクソンがベトコンの地下坑道に落ちるシーン等カメラが上がったり下がったりサスペンスたっぷりでデ・パルマファンなら楽しめる映画になってます。時々現れるパン・フォーカスショットも大変効果的で、うーん、美しいです。
でも、前述したように内容が内容なので普通の方はお勧めできない作品です。でも、弾薬集積所攻撃シーンのサスペンスは中々のものですが…
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鍾
追記 この映画は192高地虐殺事件をもとにしているそうです。音楽はエンニオ・モリコーネ、この音楽も哀愁溢れてとても良く…