レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「熊座の淡き星影」ヴィスコンティ監督にしては珍しくミステリタッチの愛憎劇ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「熊座の淡き星影」(1965)です。

巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督作品ですと重厚長大の作品が多いのですが、この作品は上映時間が100分程度、加えてミステリータッチなので意外と鑑賞しやすく、この手の映画が苦手の人、私もその一人ですが、にもすんなりと鑑賞できるものと思います。

昨年鑑賞したカミュ原作「異邦人」は私の感性とは合いませんでしたが、この作品はとても好いですね。冒頭からあのBMW507が登場し、うーん美しいし、何と趣味の良いことでしょう。さすがです。私が知る限り、この作品と「ファントマ危機脱出」だけです、507が登場する映画は。

サンドラ(クラウディア・カルディナーレ)は、夫アンドリューとジュネーブからNYに向かう前に北イタリアの故郷ヴォルテッラの実家ワルト・ルッツァンティ邸に立ち寄る。その屋敷の庭を市に寄贈して、そこに強制収容所で亡くなった科学者の父を記念して作られた肖像の除幕式に参列する為だった。が、そこにいないはずだった弟ジャン二が現れ、あの思い出したくない過去が彼女の脳裏に鮮烈に蘇るのだった…

何時ものようにとても演劇臭い演出で、ヴィスコンティ命と言う人には堪らないぐらい美しい場面が五月雨の様に登場し、私の様に勘弁してくださいと思っている人にも、やはりこの映画素晴らしいよね、と思えて来るぐらい、段々と脳髄が侵されてるように思います。いや、とても良いです。貴族趣味が鼻に付きますが、でも、こういう邸宅に佇んて生活してみたいとか、一度、ダウンツィオを読んで見ようかと…

正直な処、この手の映画は教養映画として鑑賞されるのが一番だと思います。とっつきにくいでしょうが鑑賞すれば、何がしか得る物はあると思いますが。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。      八点鍾

 

追記 このDVDは紀伊国屋製ですが、若干キズ等があり一部画質が良くありません。私にとって、もし4Kリマスター版BDがあれば購入し、私のライブラリーに入れたいと思わせる程良い映画ですね。

 

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