レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「キラー・エリート」忍者暗殺団が登場する異色エスピオナージスリラー作品ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「キラー・エリート」(1975)です。

コムテグという民間諜報会社に所属するロッケン(ジェームズ・カーン)は、仲間ハンセン(ロバート・デュヴァル)の裏切りにより左腕と左足に銃弾を食らい入院、引退を余儀なくされるがリハビリを懸命に続け復帰する。復帰初の任務は、極東からの亡命者チャン(マコ)の護衛だった。つけ狙う暗殺者は、ロッケンの宿敵ハンセンだった…

サム・ペキンパー監督作品ですが日本では評価が今一つで、理由はラストに登場する忍者暗殺団に日本の観客が呆気にとられたからでしょう。

今回、ジェームズ・カーン氏が亡くなられて、その追悼もかねて何十年ぶりに鑑賞しました。その昔、劇場で見た時より印象が良く、特に前半リハビリのシーンは丁寧な描写で、なかなか良いと感じ入る次第。いや、ジェームズ・カーンはなかな上手いと思ってしまいます。例えば「続 男と女」とか「遠すぎた橋」の上官を救うエピソードを思い出すと、只のアクション男優ではありませんね。

但し、やはり日本人から見ると後半、唐突に忍者暗殺団登場すると何か違和感が拭い去ることが出来ませんが。このシーンもう少しアイデアを加えて貰うと、異色のエスピオナージスリラーになったと思います。

高倉健氏によれば、この作品の出演オファーがあったとか。そうか、健さんともう一人藤純子さんあたりが共演して、この忍者暗殺団を今風にアレンジし、もっと強力なマーシャルアーツ、近接戦闘用ハンドガンで武装させて登場させれば物凄い傑作になっていたかもしれません。

そういう意味で、残念な作品です。興味ある方はぜひ鑑賞して下さい。ペキンパータッチ、あのスローモーションは健在なのでたっぷりと堪能してください。

共演はボー・ポプキンス、アーサー・ヒル、ギグ・ヤング、バート・ヤングとそうそうたるメンバーです。音楽は当然の如くジュリー・フィールデング。

今回は、ジェームズ・カーン氏を偲んで、あまり評価されていないこの作品を取り上げました。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。          八点鍾

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