レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ドラキュラ」(1992)です。
映画は、1462年ルーマニアに侵攻してきたトルコ軍を迎え撃つドラクル騎士団は、トルコ軍を殲滅し捕虜を捕らず串刺し刑するが、エリザベータ妃はトルコ軍の策略にかかり、自死してしまう。ドラクルはエリザベータの遺体を見て怒り狂い、吸血鬼になって神に復讐すると言い姿を消す。
1897年英国、倫敦。弁護士ジョナサンはルーマニアへの渡航準備をしていた。それはドラキュラ伯爵と会い倫敦へ移住するための手続きをする為であった。彼の城で歓迎されるが、やがてそれは薄寂れたルーマニアから英国へ行き、新たな神への復讐の為だった…
巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督作品です。確かに70年代のコッポラ監督は、力作、問題作を提起して本当に素晴らしかったと思います。80年代に入り、作品は良く出来ていますが、何か今一つ言う作品が多いのですが「ワン・フロム・ザ・ハート」「ランブル・フィッシュ」「コットンクラブ」「タッカー」はとても好きな作品です。
この作品「ドラキュラ」は、公開当時何かと過激な映像表現が多く、又ドラキュラを演じるゲーリー・オールドマンも何か印象が良くなくて、力作なんだけど今一つな作品という印象でした。クリストファー・リーがドラキュラ伯爵を演じるハマーフィルムの方が何か面白いかなと。
今回、新たに見直して印象を新たにしました。ブラム・ストーカー原作「ドラキュラ」は、原作を読んだことのある人は分かると思いますが、書簡体小説の形態を取っており映像化が難しい小説だと思います。
だから、プロローグを除く映画の冒頭から日記スタイルで物語が始まります。こういうところはコッポラ監督の生真面目さが良く出ているところだと思います。物語は、ラストを除いて大体同じで、当時の英国の風俗、衣装、映画、影絵、精神病棟等見せてくれます。
そして、この作品、初めて気づいたのですが殆どセット撮影、上手くミニチュアを使いとても良い効果を出していること、とてもユニークな絵を創り出しています。ゲーリー・オールドマンのドラキュラ伯爵像も今回は新鮮に思いました。
でも、ラストの至高の愛は、ホラー映画には合わないと思いますが、これはこれで良く纏まっていると思います。だから、この映画はホラーとしては怖くありません。やはり、そこが問題かな。
共演はウィノナ・ライダー、アンソニー・ホプキンス、キアヌ・リーブス、サディ・フロスト、トム・ウェイツ、モニカ・ベルッチ等。
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鍾
追記 書簡体小説とは登場人物の書簡を連ねることによって間接的にストーリーが展開していく小説の形式である。18世紀からフランスなどで盛んになった。有名なのが「危険な関係」ですが。Wikiより