レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「ローレライ」サミュエル・フラー監督「地獄と高潮」にラストが良く似た架空戦記映画…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ローレライ」(2005)です。

昭和20年8月、大日本帝国は断末魔に喘いでいた。最後の一撃として、ドイツ海軍から譲渡された伊507号潜水艦を駆って最後の出撃に出る絹見少佐(役所広司)を見送る朝倉大佐は恐るべき計画を考えていた…

小説家福井晴敏の小説「終戦のローレライ」を映画化した映画です。この映画、興味深いのはフランス海軍スルクフ潜水艦がドイツ海軍に接収され日本海軍に譲渡され、更に特殊音響装置「ローレライ」を装備した伊507号潜水艦として活躍する映画になっています。更に、あのB級映画の巨匠サミュエル・フラー監督「地獄と高潮」とラストがそっくりなんです。すこし、ネタバレですがリチャード・ウィドマークが日本海軍ロ号潜水艦を引き揚げて、北氷洋の孤島で中国がB29に原爆を搭載して満州を爆撃しようとする陰謀を防ぐため、潜水艦から乗組員全員で大銃撃するお話だったと思いますが…

勿論、映画の格としてはこちらの方が高いと思いますが、この作品もとてもB級ぽくてなかなか愛すべき作品になっています。理由は、「ローレライ」装置のその中枢はなんと女性なんですから。だから、戦争映画と言っても架空戦記映画として、ノンビリと楽しめる作品になっています。

気になるところ言えば、そのSFXをCGで行っていますが一部リアル感に乏しいところで、当時はミニチュアワークからCGへの過渡期で難しいところがあった為でしょう。でも、艦橋に20.3cm連装砲を持った潜水艦が大活躍する映画なんて、この映画だけでしょう。マニアックです。それだけでも好きな人には堪らない映画でしょう。固いことを言わずに、この潜水艦映画を楽しんでください。監督は「ガメラ 大怪獣空中決戦」で名を上げた樋口真嗣。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。          八点鍾

             実際のスルクフ潜水艦

                                             画質が良くありませんが

 

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