レタントンローヤル館

主に映画のお話

「テナント/恐怖を借りた男」おっと、この作品はいけませんね…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「テナント/恐怖を借りた男」(1976)です。

映画は、ポーランド系フランス人トレルコフスキー(ロマン・ポランスキー)が部屋を借りにある古風なマンションの一室を訪れるところから始まります。数日前シモーヌと言う女性が投身自殺を図ったという部屋ですが、彼はそんなことを気にせずに契約します。引っ越し祝いで友人を呼んで騒ぐと他の入居人から叱責を食らいます。

気にせず暮らしますが、部屋の家具を移動中に壁の穴から見つかる人間の歯、空き巣に入られTV等盗難に遭ったり、部屋の反対にあるトイレに入っている住人からの視線等によりトレルコフスキーは段々と自分の意識が変化するのに気付くのだが…

この作品、不条理スリラーで、日本では未公開でビデオスルーされました。だから、一抹の不安はありましたが、作品は真摯に作られていますが余り面白くありません。

あの「袋小路」「ローズマリーの赤ちゃん」の男性版のようなお話で、何か物足りません。と言うか、監督自身が主演していますが、あの「ポランスキーの吸血鬼」の様に脇に回った形であれば良いので、主演としてはイマイチ魅力に欠けます。華やかさがありません。加えてラストも暗いのがね。

全体にテンポが遅く、何かアントニオーニ監督作品のような味わいもあるのですが、そんな感じでもない。例えば、監督が主演をするのではなく、ジェラール・ドパルデューが主演してラストをもう少し変えれば、かなり印象が変わる映画だと思いますが。イザベル・アジャーニが共演していますが、見所無しで。観客に気を使ってもう少し見所を作らないとね。

ポランスキー監督は、ハリウッドでハードボイルド物「チャイナタウン」を監督して、あの未成年者姦淫事件頃の作品なので、諸事情の結果、こういう中途半端な作品になったように思います。

彼は、あのシャロン・テート事件から80年代中頃まで作品の出来、不出来が激しくて、以前このブログで紹介した「フランテック」辺りから調子を取り戻します。だから、ポランスキー監督研究者のような人は鑑賞した方が良いかもしれませんが、普通の映画ファンは避けた方が良いかと思います。でも、古風で高級なマンションで得意の異常心理描写等は中々見せてくれますが。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。       八点鍾

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