レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ヴィドック」(2001)です。
この映画は、世界初の探偵と言われる19世紀初頭に暗躍したこのフランソワ・ヴィドックと言う男が、警視総監に依頼されて落雷殺人事件を解決する物語です。そして映画はHD24P HDCAMのフルデジタル撮影を世界で初めて実現した映画になります。或る意味実験映画の趣もあります。
1830年フランス7月革命頃、探偵ヴィドック(ジェラール・ドパルデュー)は警視総監の密命を受け、落雷殺人事件の犯人を追っていた。犯人は鏡の仮面を付けた謎の男で、ガラス工房の高炉に追い詰め戦うが、力足らずして高炉の中に落ちてしまう。
ヴィドックの相棒ニミエとヴィドツクの自伝執筆依頼を受けたエチエンヌは、ヴィドック殺しの犯人鏡の仮面男を捕まえるために捜査を開始するのだが…
この映画、判り辛いところもありますがとても面白い。まず、フランスに実在したという探偵ヴィドックが良いですね。もう、これだけでうっとりさせられます。加えて、CGによる当時の妖しく、耽美的な、汚い魔都パリの風景というか映像美が素晴らしい。これだけでも鑑賞する価値があると思います。
映画美術は素晴らしいのですが、物語構成、人物描写にやや難があり、例えば、この映画、ジャン=ピエール・ジュネ監督がメガホンを取っていたら素晴らしい映画になるのではと思いますが。無い物ねだりしても始まりませんが。
面白い作品なので、興味を持たれた方は是非鑑賞して下さい。
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鍾