レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「マルタの鷹」巨匠ジョン・ヒューストン監督の傑作ハードボイルド映画…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「マルタの鷹」(1941)です。

この作品はダシール・ハメット著「マルタの鷹」を映画化したもので、ほぼ忠実に映画化しています。「マルタ…」以外にハメット著「血の収穫」「ガラスの鍵」を読んだことありますが、その文体が面白いのです、口語調の本当に飾り気のない文体で、人はこの文体を揶揄してハードボイルと言ったとか。あのフレッド・ジンネマン監督「ジュリア」の中でジェイソン・ロバーツが演じた初老の男がハメットです。いい感じ出していました。

映画は、サム・スペード(ハンフリー・ボガート)とアーチャーが経営してる探偵事務所にブリジット(メアリー・アスター)という美女が訪れ、妹と駆け落ちしたサーズビーと連絡を取って妹を引き離そうとしているが、相手が相手なので立ち会って欲しいという依頼を受ける。アーチャーはブリジットの美しさに惚れて彼女の仕事を受けるが、深夜スペードが受けた警察からの電話はアーチャーが殺されたというものだった…

人によって異論があると思いますがハードボイルド映画の傑作です。少なくとも私にとってはあのメロドラマ「カサブランカ」より価値のある作品だと思っています。

いや、久しぶりに再見しましたが、ボガートがとても素晴らしく、メアリー・アスターもラストが良いですね。全体にテンポが速くて、一度小説を前もって読んでおかないと理解できないのではと思うほどですが、でもこのテンポがたまりません。うーん、美しいです。

後半、スペードが"マルタの鷹"と呼ばれる宝物を巡って引き起こされた三件の殺人事件の犯人を警察に引き渡すために策を弄する丁々発止の言葉を巧みに操り、その演技に圧倒されます。

特に、ブリジットにスペードが語る探偵稼業の仁義という哲学なんか涙ものですね。言葉に表すことが出来ないぐらい素晴らしい。うーん、美しいです。

脚本、監督は「黄金」「アスファルト・ジャングル」のジョン・ヒューストン自ら行っておりこの作品が処女作です。この後「キーラーゴ」「悪魔をやっつけろ」「勇者の赤いバッチ」「アフリカの女王」「マッキントッシュの男」等を世に送り出します。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。         八点鐘

 

実は、ヒューストン監督には日本未公開作「我々は異邦人だった」という映画があります。DVDで発売された時の題名「ストレンジャーズ6」とか。ジェニファー・ジョーンズ主演のキューバ革命物とか。又、手に入ったらアップしますが。

ラストのこのショットが素晴らしい

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この作品「ストレンジャーズ6」