レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「豹<ジャガー>は走った」加山雄三と田宮二郎そしてモーゼル自動拳銃という映画ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「豹<ジャガー>は走った」(1970)です。

加山雄三の東宝ハードボイルドアクション、今度は警視庁の凄腕戸田警部を演じる。

映画は、南ネシア元大統領ジャカールが米国に亡命する途中、日本に立ち寄ることになった。ジャカールを守り抜くため、戸田警部(加山雄三)は警察官の身分を捨て先制攻撃可能な"猟犬"としてジャカールを守り抜くことになった。ジャカールを狙うは"黒豹"と呼ばれる国際的なスナイパー九条(田宮二郎)、ジャカールの日本滞在期間は3日間、戸田はジャカールを守り切ることが出来るのか…

大スター田宮二郎を迎えてのハードボイルドアクションですが、のんびり見る分にはいいのですが、このプロットでは、枝葉が多すぎてあまりノレません。

ブロンド娘ナンシーと情事を重ねる九条、このブロンド娘なんか必要ありませんよね。又、この娘に絡むベトナム反戦なんかも必要ないと私は思いますが。もし、登場させたいのであればもっと丁寧な描写が必要だと思います。

映画の中盤、靖国神社が登場するのには驚きましたが、C国とかK国が政治問題化する前の作品なので、当時は何でもなかったのでしょう。これが普通ですがね。

ラスト、戸田と九条の一騎撃ちもダラダラと締まりがないように私には思えます。戸田が使用するのはモーゼルC96自動拳銃で、東宝映画はこの自動拳銃が大好きですね。それならモーゼルシュネルファイヤーにすれば、あっという間に九条はお陀仏になったでしょう。やはり、第一作「狙撃」が一番良かったかな。監督は「死ぬにはまだ早い」で名を上げた西村潔。

戸田は映画の前半でワーゲン・ビートル、後半ではアルファロメオスパイダーを乗り回してなかなかいい感じ。秘書役で若い加賀まりこがちらりと登場します。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。       八点鐘

 


九条はフォード・ムスタング