レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「バットマン ビギンズ」ノーラン監督による英雄神話の構築…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「バットマン ビギンズ」(2005)です。

ゴッサム・シティの大富豪の息子ブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)は、世界中を旅して、ラーズ・アル・グールの代理人デュカードから悪と戦う術を学び、ゴッサム・シティーに帰ってくる。父が起こしたウェイン産業のフォックスが開発した様々発明を利用してスーツ、モービル、グラップガン、ケープを武器にマフィアのボス、フアルコーニと対決するが、本当の敵は別の処に潜んでいたのだった…

サスペンススリラー映画「インソムニア」でなかなか鋭いところを見せてくれたクリストファー・ノーラン監督が次にDCコミック「バットマン」を映画化すると聞いて驚きました。コミックを映画化するんだ、TVシリーズ、ティム・バートン版、ジョエル・シュマッカー版何れもいま一つの出来でしたからで。

でも、ノーラン版「バットマン ビギンズ」は従来のバットマンとはかなり違った作品になっていました。ノーラン監督独特のスタイルによる映像美がスクリーンの隅々までにぎっしりと詰め込まれ、登場人物等のフォーマットは同じですが、コミック色が薄められている感じで、見ていると味付けが違う。特にバットモービルの造形に驚きました。いや、凄いですね。又、忍者軍団が登場するのも違和感なく作られており、面白いと思います。

キャスティングも凝っており、渡辺謙、リーアム・ニーソン、マイケル・ケイン、ゲーリー・オールドマン、モーガン・フリーマン等ですが、女優がケイティ・ホームズと少し弱いのが残念ですが。さらに、このストーリというかプロットがとても良いですね。間違いなく英雄神話で、ノーラン監督は神話を構築しようとしているのですね。

半端仕事ではなくがっちりと取り組んで映像化しているのに驚きました。だから、私はその昔LDで鑑賞した巨匠フリッツ・ラング監督「ニーベルンゲン/ジークフリート」「クリームヒルトの復讐」(1924)を思い出しました。英雄神話のサイレント映画で、龍殺しの英雄ジークフリートの非業の死とその妻クリムヒルトの復讐を描いた作品です。素晴らしい作品です。

そういう香りがスクリーンから漂ってきました。いや、素晴らしいですね。そんなことを思いながらこの映画を楽しみました。

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。         八点鐘

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興味があればどうぞ 「ニーベルンゲン」予告編です