レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ボーダーライン」(2015)です。
少し前ご紹介した「トラフィック」では殆ど無能無策に終わっていたDEAでしたが、この作品では、DEAではなくペンタゴンが乗り出してCIAの特別行動部、通称SADが対応する姿が…もう警察組織では対応できないという事実が痛ましい。
映画は、FBIで誘拐即応班に属して容疑者宅に乗り込んだFBI捜査官ケイト(エミリー・ブラント)は、犯人の一人を射殺するが容疑者宅の物置にIED(即席爆発装置)が仕掛けられており捜査官二名が亡くなってしまう。
が、この事件の働きでケイトはペンタゴンのマット(ジョシュ・ブローリン)のチームに加えられ、最初の仕事は、メキシコ、ファレス市に向かい、カルテル幹部の弟ギレルモを連れてくることだった。又、何か訳ありのアレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)の存在も何やら不気味で…
もう凄い話の映画、目的の為には手段を選ばす、ギレルモを拷問してカルテル麻薬王の居場所を突きとめる。不法移民から国境にある地下トンネルの存在を知るや否や、無人偵察機で場所を特定し、重武装部隊を投入制圧する。決して逮捕しない、情けは掛けないし、もたらすのは死のみと言うやり方。又、ファレス市の現実、その暴力描写も目を覆うような状態で凄い。
味わいとしては、普通の犯罪アクション映画と言うより「ゼロ・ダーク・サーティ」のような特殊戦を描いた戦争アクション映画のようで、見ている方も力が入り、戦慄すら覚えてしまいます。
こういう覚悟がないと対カルテル戦には勝利できないだろうし、本当に勝利するかどうかも疑わしいが…
でも、個性的で良く出来た映画です。監督は「DUNE/デューン 砂の惑星」のドゥニ・ヴィルヌーヴ、ヨハン・ヨハンソンの個性的な音楽がさらに映画を引き立てています。
このブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鐘
www.youtube.com ドゥニ監督の次作 予告編
