レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「パワープレイ」ルーマニア出身の国際政治学者エドワード・ルトワックの著作を映画化したものですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「パワープレイ」(1978)です。

映画は、ある欧州の独裁国家で経済大臣が誘拐され、死体となって発見される。秘密警察はこれを境に容疑者を根こそぎ逮捕し始める。その中にはナリマン陸軍大佐の友人の娘ドナもいた。ナリマン大佐はドナを助けようとしたが秘密警察長官ブレアに邪魔されて出来なかった。そんな時、国家を憂うルソー教授が彼に近づいて来て、国家を救う為にクーデターが必要ではないかと彼に持ち掛けてきた。彼は頷き、人選を始めるのだった。クーデターを成功させるのには戦車屋が必要と言うことでスタフェンバーグ大佐を引き込もうとするが、彼は本部にその件を報告するというので仕方なく、彼を戦車で轢殺する。次に白羽の矢を立てたのはゼラー大佐(ピーター・オトゥール)だった…

ところで、エドワード・ルトワック氏をご存じでしょうか?  国際政治学者で戦略国際問題研究所シニアアドバイザーでここ10年ぐらいに日本のTVにも登場します。故安倍首相も時々彼を読んで色々とアドバイスを貰っていたようでした。

その彼の「クーデター入門」を元に作られたホンなので、とても良く出来ています。特に秘密警察を巧くかわしながら、又囮を巧く使い秘密警察をそちらに誘い出して、実働部隊を移動させる処等見事です。

但し、バジェットが小さい事と監督の力量がいま一つなので、映画としては小品です。監督はマーティン・バーグ、私はこの作品しか知りません。例えば、一番脂ののった頃のコスタ・ガブラス辺りが監督すれば、かなりの作品になったように思います。

あまり知られていない映画ですが、万が一見つけたらご覧になってください。観客を選ぶ映画ですが、この手の映画が好きな人は満足されることと思います。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。      八点鐘

 

追記 この映画は評論家故双葉十三郎氏がとても褒めていました。だから、頭の片隅にずっと残っており、加えて少し前ブロ友のサイトでアップしているのを見つけて、DVDを色々と探してようやくアップしました。

この作品を見ると、あの226事件、宮城事件(815事件)等行き当たりばったりで巧く行くはずがありません。色々と考えさせられる映画です。

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少し前の動画です。ご興味があれば…