レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「ナインハーフ」この作品はファショナブルな官能映像と言っていいでしょう…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ナインハーフ」(1986)です。

エリザベス(キム・ベイシンガー)は、離婚したばかりの画商、ギャラリスト。ある時中華レストランでジョンという金融ブローカーと知り合う。ハンサムで知的な雰囲気を持つ彼に彼女は魅かれる。やがて彼の特異な性格が目立つようになるが、それも魅力的に映り、すべてを受け入れ始めるのだが…

70年代初め、ジュスト・ジャカン監督「エマニエル夫人」が世界的に大ヒットしたことを受けてハリウッドが重い腰を上げて製作した映画と言っていいでしょう。ハリウッドスタジオはこの手の映画を製作しません。理由は、製作していくとジリ貧になってしまうからで、独立系会社が「ディープ・スロート」「ミス・ジョーンズの背徳」等をヒットさせていたので対応を考えていたのでしょう。

但し、この映画は一流の監督が一流の女優を迎えての作品なので、ソフトコアポルノというより綺麗な映像のファショナブルな官能映画になっています。雑誌GQ、ESQUIREに掲載されるようなファショナブル写真のような映像になっています。

この作品、最初は良いのですが30分もすると特に編集、セリフ、俳優の演技等見せ場があるわけではないので退屈してしまうのが難点です。全体に環境映像のような感じで…

監督はエイドリアン・ライン、そういう演出をやっているのだと思います。彼の出世作「フラッシュ・ダンス」もその感じの作品でした。そういう意味では良く出来た作品だと思います。主演の二人、ミッキー・ローク、キム・ベイシンガーもとても自然で、なかなか良い感じです。

でも、それだけですね。ライン監督としたら「危険な情事」「運命の女」の方が興味深い作品だと思います。

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。        八点鐘

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