レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「モリコーネ 映画が恋した音楽家」イタリアの至宝 マエストロ モリコーネのドキュメンタリー映画…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「モリコーネ 映画が恋した音楽家」(2022)です。

イタリアの至宝、世界の至宝と言って良いあのマエストロ"エンニオ・モリコーネ"のドキュメンタリー映画です。

モリコーネサウンドがたまらなく好きな人、60年代から70年代のイタリア映画が大好きな人、セルジオ・レオーネが大好きな人、映画音楽が大好きな人、私の駄文を読む前に鑑賞してください。

絶対感動するドキュメンタリーになっています。うーん、美しいです。涙が出てきます。こんな気分に酔いしれて映画館を出るなんて滅多にありません。それほど良かった。もう一度見に行こうかなと思ったぐらいです。

映画は、彼の生い立ち、父はトランペット奏者で、その影響を受けサンタ・チェチーリア音楽院へ進む。そこでゴッフレード・ペトラッシに師事する。卒業後は編曲者として活躍、又ジョン・ケージ等のミュージック・コンクレート、対位法などを学ぶ。編曲の才能を認められ、映画音楽へ。そして、あのセルジオ・レオーネ監督「荒野の用心棒」へと…

アカデミックな教育を受け、編曲者、映画音楽の道を進んだのは苦渋の決断だったのでしょう。だって、映画音楽は今でこち、立派な地位を確立していますが、当時は伴奏音楽、二流音楽の位置付けでした。

だから、ハリウッドの巨匠ディミトリ・ティオムキン、フランク・ワックスマン、ミクロス・ロージャ、マックス・スタイナーもどちらかと言えば画面の足を引っ張らない音楽を心掛けていたと思います。日本でも同様で、早坂文雄、伊福部昭、黛敏郎、佐藤勝達も同様な立場だったと思います。

でも、モリコーネは作品によっては自分の個性を表に出して、映画音楽をクラシック音楽以上の高み迄引き上げた作曲家だと思います。

だから、時には素晴らしく響くのですね、例えば「荒野の用心棒」「続 夕陽のガンマン"エクスタシー・オブ・ゴールド"」「ウェスタン」「1900」「ミッション"ガブリエルのオーブエ"」等、本当に素晴らしいと思います。

この映画には、彼の人柄を表す素晴らしいエピソードが詰め込められており、例えばジェロ・ポンテコルヴォ(「アルジェの戦い」)の結婚式にトランペットを吹いて祝福したこと、エリオ・ペトリ監督「殺人捜査」の音楽を聴いてキューブリックが惚れこみ、「夕陽のギャングたち」の仕事をしていたレオーネ監督に連絡が入ったが彼が断わったこと、映画を見るとわかりますがその後、モリコーネはこういっています。

「わたしに直接連絡してくれれば」と。

いや、見たかったですね。「時計じかけのオレンジ」エンニオ・モリコーネ版を。

その他、ジョーン・バエズとの「勝利への賛歌」、マリック「天国の日々」のエピソードなど美しいです。監督は「ニューシネマパラダイス」のジョゼッペ・トルナトーレ、物凄くうまく纏めています。

                                   八点鐘

 

追記 恩師ペトラッシも映画音楽を担当したことがあります。「にがい米」と言う映画で、イタリア映画に詳しい人なら知っていると思います。

モリコーネのコンサートでは、彼はタクトを振るだけで何も喋りません。例えば、ジェリー・ゴールドスミス、ジョン・ウィリアム、ミシェル・ルグランも物凄くよく喋りますが。でも、この映画では物凄く饒舌です。美しいです。

ハンス・ジマー、ガブリエル・ヤレドあたりが日本でコンサートを行ってくれるととても嬉しいのですが。

 

 

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 以下 私の好きなモリコーネサウンド

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