レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ノースマン 導かれし復讐者」(2022)です。
映画は復讐物で、大鴉王(イーサン・ホーク)が外敵遠征で凱旋するが、叔父フィヨルニルの暗殺で命を落とす。息子アムレート(アレキサンダー・スカルスガルド)は一人脱出して、ヴァイキングの一員として外敵を殲滅する。ある時預言者からで叔父フィヨルニルの居場所を教えられる。彼は奴隷に成りすまして、奴隷船に乗り込み叔父の居場所を突き止め、血の復讐を成し遂げようとするのだが…
あの「ライトハウス」が話題になった監督です。が、あの作品、寓話のようで良く出来ていましたが面白さでは今一つ欠けていたと思います。
が、この作品は良いですね。何というか、あのヴァイキング伝説を文化人類学的なアプローチで捉えて、特に戦勝祈願の宗教儀式等素晴らしくて息を飲みますね。うーん、美しいです。敵は情け容赦なく殲滅、使えそうな奴、若い女は奴隷と言う感じで、こういう作品は見たことがありません。
個人的には、リチャード・フライシャー監督「ヴァイキング」とジョン・ミリアス監督「コナン・ザ・グレート」を足して2で割ったような作品だろうと思っていましたが、もっともっと出来は良くて刮目させられます。
剣一太刀で手、首、足が吹き飛ぶ、この世界観は良いと思います。美しい西洋剣劇で、ここまでやってくれと清々しく感じます。あの「ザ・メニュー」ではつまらなかったアニャ・ティラー=ジョイも逞しい女を熱演して、美しいと思いました。映画音楽も主に打楽器のみで、これもなかなか迫力たっぷりで楽しめました。久しぶりに心躍る映画でした。この監督、次回作が楽しみです。
但し、私はこの世界では一日たりとも生きられないし、観客を選ぶ映画ではあります。
八点鐘
追記 すみません。「ミルドレット・ピアース」は次回と言うことで…