レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「ロシア・ハウス」ソ連邦末期、東西冷戦に巻き込まれた男女を描くル・カレ作品の映画化…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ロシア・ハウス」(1990)です。

映画は、モスクワの英国オーディオフェアの会場でカチャ(ミシェル・ファイファー)というロシア女性がバーリー(ショーン・コネリー)に渡してほしいと隣のブースのニキと言う男にノートを渡した。ニキは英国に戻り当局にそのノートを渡すと、それはソ連の軍事情報、特に核戦略の問題点、欠点が列記されており、ソ連は戦時下で核戦略攻撃が出来ないことが分かった。が真偽が確認する必要があり、英国情報部はバーリーと言う男の捜索を始めた。彼はリスボンで発見され、情報部は色々と彼に質問すると、どうやらモスクワ訪問時で郊外のダーチャである男、ダンテ(クラウス・マリア・ブランダウアー)と色々と話したことを話し始める。情報部に説得され即席の訓練を受け、彼はモスクワのカチャに会うべく向かうのであった…

公開された当時、あまり評判にならなかった映画ですが、小説の雰囲気がよく表現された映画で、私は結構好きな作品です。監督は「ミスター・ベースボール」のフレッド・スケピシ。

ル・カレ作品としては中位の出来ですが、私は小説より映画の方が良いと思いました。特にテンポが好い前半が素晴らしい。リスボンの街並みが素晴らしくて、コネリーもミシェル・ファイファーもとても良い感じで。特に、ダーチャで櫛にパラフィン紙を被せて皆でジャズセッションするシーンなんか泣けてきますね。

実際にモスクワ、レニングラードでロケをしており、その風景がとても良い。観光映画の雰囲気もあり、ラスト、バーリーがカチャに恋心を抱いき彼女を助ける為、取った行動が良いですね。

その昔「鏡の国の戦争」では、当局に見捨てられ陰惨な最後を迎えるのですが、この作品はあれから20年余り経過してソ連も経済的に困窮している時期なので、こういうラストは見ていて好ましいと思います。

脇を固める共演者たちもロイ・シャイダー、ジェームス・フォックスそしてあのケン・ラッセル、そう「肉体の悪魔」「トミー」等の映画監督が登場します。なかなか良いですね。

ロシアハウス(英国情報部)は人からの情報、ヒューミントで情報を集め、CIAは衛星を使用したシギントで情報を集める。映画ではヒューミントの勝ちのようですが、得た情報を分析するには、色々な経験が必要でしょうから。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。          八点鐘

 

追記 音楽はジェリー・ゴールドスミス、ジャズを使ったサウンドは中々いいと思います。バーリーはジャズ奏者、クラリネットで演奏するシーンもあります。

興味を持たれたのであれば、是非とも映画と言わず小説も読んでみて欲しいと思います。私が、ル・カレを薦めるのは、その作者の思考、嗜好等を作品から読んで感じされるからです。例えば、米国人の場合あまりそれは感じられないので。

 

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