レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「ファイト・クラブ」デビィッド・フィンチャー監督の狂気の力作と言うべきか…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ファイト・クラブ」(1999)です。

映画は、私(エドワード・ノートン)は不眠症で苦しんでおり、医者に薬を頼むのだが、医者は与えてくれない。もっと大きな苦しみを持っている人たちがいると。私は睾丸ガンで苦しんでいる人たちの集会に行きそこで安らぎを得た。そしてマーラ(ヘレナ・ボナム=カーター)と知り合うこともできた。それから私は集会マニアになってしまった。

仕事で出張時に隣の席の男タイラー(ブラッド・ピット)に会い、何やら胡散臭いものを感じた私だか、自宅に戻るとコンドミニアムの自分の部屋がガス爆発で全焼しており、何故かタイラーの名刺を取り出して、電話をかけるのだった。彼は「ファイト・クラブ」と言う集まりを主催しており人間の持つ野蛮性を解き放つことを主張して、私はそれにピクリと反応してしまうのだった…

いや、この映画凄いの一言です。劇場で鑑賞した時、何とも言えないような落ち込んだ気分になりました。あの「時計じかけのオレンジ」とか「博士の異常な愛情」を初めて見た時も同様に落ち込みましたけど、でもすぐにあの映像美に魅力されて何度も見たくなりましたが、この作品はちょっとね…

今回、久々に再見しましたが、尖がっていると言うよりも凄いの一言ですね。巧いです。サブリミナルなど利用してもう狂気の才能と言った方が良いかもしれません。

色々なものが詰まっている作品で、自分の分身が見えるとか二重人格とか言うのは総合失調症の一種で、例えば「ビューティフル・マインド」等で描かれていますが、こちらの作品はもっと強烈で切り込み方が鋭い。

このフィンチャー監督、「ソーシャル・ネットワーク」とか「マンク」等は良く出来た映画でこういう映画も出来るんだと思いましたが、特にこの作品は彼の作品の中でも跳びぬけて凄いというか、その思想性が明確にスクリーンから主張していて怖いぐらいです。だから、911テロを予言した作品と言われるのですね。

ただ、中盤タイラーが住んでいるボロボロの廃家のシーンがあまりにもリアルで、あの汚らしさが嫌いで見たいと思わないのですが。まあ、キューブリックならもっともっと古びて冷たいセットを組むだろうと思いますが。

フィンチャー監督を語るには欠かせない映画ですね。ご覧になっていない方はぜひ鑑賞してください。痛い映画です、気分が悪くなる映画ですが本当に良く出来た映画ですが。

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。           八点鐘

 

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