レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「ホースメン」ジョセフ・ケッセル著「騎馬の民」をフランケンハイマー監督が映画化した作品…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ホースメン」(1971)です。

あのシネラマ大作「グランプリ」以降「フィクサー」「さすらいの大空」の次に来るのがこの作品です。何を血迷ったかアフガニスタンを舞台に国技ブズカシに参加するブズカシ選手の名誉、生き方を描いた作品です。

冒頭、ブズカシ競技のシーンは迫力たっぷりで、その昔劇場で鑑賞した時の興奮が蘇りました。そうなんだよな、フランケンハイマーは汗臭い男達を描く監督で、なよなよした男なんか大嫌いだ。「大列車作戦」のラビッシュ、「フレンチコネクション2」のドイル刑事、「ブラックサンデー」のカバコフ少佐どれも男臭い。

この作品では、大トルセン(ジャック・バランス)の息子ウラズ(オマー・シャリフ)は、ブズカシ試合で駿馬ジャヒルから落馬して足を痛め、ジャヒルはライバルの騎手を乗せて優勝するという事態になり彼の名誉は大いに傷付く。大トルセンに合わせる顔がない。

彼は、自分を許すことが出来なく大トルセンの下に戻る時に、自分に鞭打つ為に敢えて険しい道を選ぶのだった。それがもとで彼は右足を失ってしまうのだが…

冒頭の素晴らしいブズカシシーン、険しい山岳路踏破シーン、アフガニスタン風俗描写、ラストの乗馬技術、ほぼアクロバットに近いものですがなかなか見応えがあります。良く出来た異色の作品と言って良いでしょう。トルセン役のジャック・バランスがなかなか良くて涙ものです。又ジプシー女ゼレの役でリー・テイラー・ヤングが共演しています。

当時、この作品はかなりレアな題材で商売にならないのではと私は心配しました。当時はニューシネマ全盛時代で、若干ニューシネマに近い味わいのある作品です。私はとても好きな作品ですが、コケたと思います。暫くの間、彼の低迷期が続き、あの「フレンチコレクション2」で復活しますが、また「ブラックサンデー」でコケて…

ほんとハリウッドは大変ですね。でも、こういう気骨のある監督は素晴らしいと思います。うーん、美しいです。

このブログ作成にPAL仕様DVDを鑑賞しています。日本版DVDは出ていないと思います。私が鑑賞したのは仕事でフランスに行った時にDVDショップで購入したものです。手に入れた時は本当にうれしかった。           八点鐘

 

追記 音楽はジョルジュ・ドルリュー、なかなかダイナミックな好いスコアを書いています。これもまた美しいです。

 

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色々映画を紹介する予告編を探しましたが好いものがありません。これは冒頭のブズカシシーンの映像ですが、左右が切れていますし、映像もいまいち。映画はもっともっと迫力があります。

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