レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「マイラ むかし、マイラは男だった」(1970)です。
ラクウェル・ウェルチさんが亡くなりました。その追悼としてこのカルト作品をご紹介したいと思います。多分、知らない人が多いと思いますが。原作があり、あのゴア・ヴィダルの同名小説を映画化した作品です。監督はあの異色ミュージカル「ジョアンナ」のマイケル・サーン。
映画は、40年代の映画を愛する映画評論家マイロンは性転換手術をしてマイラ(ラクウェル・ウェルチ)になるところから始まります。伯父バック(ジョン・ヒューストン)がハリウッドで経営している怪しげな演劇学校に行き、マイロンは死亡して私は妻マイラで、マイロンから相続できる遺産を分けて欲しいと要求。がバックは拒絶し、彼女が何者か調査始めると共に演劇学校の教師として雇用し始めるのだが…
カルト、レアな作品です。この映画が公開された当時、殆どの映画評論家は無視したと思います。私の知る限り故双葉十三郎氏だけではないかと思います。批評を読みましたから。彼はこの映画に30年代のセックスシンボル、メイ・ウェストが共演しているので鑑賞したとか書いていました。
ヘイズコードが緩くなった時代での映画ですが、多分トランスジェンダーを主人公にした作品はこの映画が初めてではないでしょうか。そう言う意味で尖がった作品と言って良いでしょう。但し、出来はいま一つで、ジョン・ヒューストンの怪演が鼻に突く作品になっています。ラクウェル・ウェルチは悪くありませんが、演技が固い感じです。
あの時代、この手の映画では仕方ないと思います。現在なら、もう少し面白くできると思いますが。でも、彼女、多分初めての主演なので生き生きとしているように見えますが。
映画の特徴としては、ミュージカル風で映画評論家が主人公なので、30~40年代のハリウッド映画のワンシーンがインサートされます。この時代はあまり詳しくありませんので良く分かりません。ローレル&ハーディ、シャーリー・テンプルが登場するぐらいしか… この作品を製作して大コケしたマイケール・サーンはハリウッドを追放されたとか。以後、彼の映画は「PUNK」だったかな、見ていないけど。
何だかんだ書きましたが、「恐竜100万年」「ミクロの決死圏」等で大活躍したラクウェル・ウェルチさん、ご冥福をお祈りします。
男の子は皆彼女のファンでした。映画「ベルファスト」で描かれていたと思いますが。
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鐘