レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「大列車作戦」 J・フランケンハイマー監督版「鉄路の斗い」ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「大列車作戦」(1964)です。

B級映画の様な題名ですが、映画は素晴らしい出来栄えです。監督があの「影なき狙撃者」「5月の7日間」「グランプリ」「ホースメン」「フレンチコネクション2」等60年代のハリウッドのエース監督ジョン・フランケンハイマーなのですから。

映画は1944年8月のパリ。美術愛好家であるドイツ陸軍大佐ヴァルトハイム(ポール・スコフィールド)はジュ・ド・ポーム美術館よりデカダン絵画を運び出し戦後の復興の足しにしようと考えていた。レジスタンスメンバーでSNCF(フランス国鉄)地区監督官ラビッシュ(バート・ランカスター)はキュレーターのヴィラール女史からそれを阻止して欲しい依頼される。レジスタンス側はフランスの小さな町リヴレーヌで列車を止めるべく奇策を考え出す。そこでポイントを切替えて別の路線へ導き再びリヴレーヌに戻してそこで動けない様に脱線衝突させるというものだった。果たしてラビッシュ達の奇策は成功するのか…

一番脂がのっていた頃のフランケンハイマー作品で、サスペンス、アクションたっぷりで彼の映画の中でも一番面白いのでないのかと思います。スピツトファイヤーMk.V戦闘機、A-26爆撃機、SNCFの230B蒸気機関車も登場しマニアの方にも見ごたえのある映画に仕上がっています。特に蒸気機関車の脱線衝突シーンは迫力たっぷりです。うーん、美しいです。

又、戦時中蒸気機関車の給油官にコインを入れて故障させたり、軍用トラックをスカーフ一枚で爆破させる方法も丁寧に描いておりとても興味深い。

ランカスターは、殆どスタントを使わず全編走り通しと言う感じで、特に操車場ポイント切り替えの場面では、パイプを使ったサスペンスが嬉しいし、独軍装甲列車もちらりと登場し、何よりもモノクローム作品と言うのも嬉しい。まだ、この頃のカラーは発色が良くないこともありますが、何というかドキュメンタリータッチの様な雰囲気もあり、戦争映画を鑑賞している気分を盛り上げます。

バート・ランカスター、ポール・スコフィールドそしてジャンヌ・モローも共演しており、そのシーンが嬉しいことに浮いていません。同時期のフランク・シナトラ主演マーク・ロブソン監督「脱走特急」より格段に優れた作品なので、興味を持たれた方は鑑賞して欲しいと思います。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。近くBD版を販売されるとも聞いています。                             

                                 八点鐘

 

追記 監督はアーサー・ペンの予定だったとか。が「山猫」の興行成績が悪く、どうしてもヒットさせたかったランカスターが彼を降板させて、ジョン・フランケンハイマーにお願いしたとか。

 

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www.youtube.com  音楽はモーリス・ジャール

 

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