レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「午後の曳航」(1976)です。
三島由紀夫原作の同名小説を英国を舞台に映画化した作品です。
映画は、英国の港町で骨董商を営む未亡人アン(サラ・マイルズ)の悩みは、反抗期の一人息子ジョナサンのことだった。朝早く家を出て散歩をしているというが、何をしているか分からないことがあった。彼は早熟な首領のもとで性交体位の医学書を見て大人達の世界に入り始めていた。アンは5年前に夫を亡くして、寂しい夜を過ごしていた。
そんな時、港に貨物船ベル号が修理の為立ち寄り、二等航海士ジムと親しくなる。ジョナサンはジムと親しくなるにつれて、本当の男だと信じるようになる。再び、海に出るジム、やがてジムは舞い戻り、母と結婚するという。ジョナサンは首領に話すと、大人は信用できない、そんな男は処刑に値すると話し始めるのだった…
三島文学は私にとって敷居が高くて、戯曲「わが友ヒットラー」しか読んでいません。その昔「春の雪」を読み始めましたが、文体が固くて諦めました。その点映画は楽なので。
今回、この作品再見したら未亡人アンの愛欲というより一人息子ジョナサンとその首領の行動の描写に驚きました。アンファンテリブル、恐るべき子供達の映画ですが、さすが三島由紀夫、進んでいますね。この時代にこの手の小説を上梓しているとは。トレンドセッターですね。
映画は良く出来ておりグロいシーンは無いものの内容はかなりハードなものですが、アンとジムのラブシーン等現在からみればかなり控えめです。最近の映画と違い、セリフと演技で上手く構成された映画になっています。こういう映画も好いですね。
デビッド・リーン監督「ライアンの娘」で似たような役をこなしたサラ・マイルズが好演しています。うーん、美しいです。監督は「セコンド」「暗殺」の脚本で有名なルイス・ジョン・カリーノ。
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鐘
追記 この首領は、大きくなったらハンニバル・レクターのような人になるんでしょうね。頭は良いしカリスマ性もあるようだし、お、怖いな。