レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「絶壁の彼方に」本格的な英国冒険ミステリー映画ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「絶壁の彼方に」(1950)です。

米国人マーロウ博士(ダグラス・フェアバンクス・ジュニア)が東欧ボスニア国に招聘されてある患者の外科手術を行うが、その患者が独裁者ニイヴァ将軍でさらに悪いことに術後経過が悪く死亡してしまった。仕方なくマーロウ博士は孤立無援でボスニア国を脱出するのだが…  注)ボスニア国は架空の国家

この作品、英国冒険ミステリー映画の秀作と聞いていたのでずっと探していました。が、最近ある動画配信サービスに上がっていることを知り鑑賞しました。

他の皆さんは、秀作、名作と言っていましたが、良い作品ですが私には少し期待外れでした。理由は、まず画質があまり芳しくなかったのに加えて、ラストの山岳アクションがね、当時としてはこれが限界だったのでしょうが、もう少しサスペンスを盛り上げてもらわないとね。更にボスニア語なるものを創造したそうですが、これもストーリーとはあまり噛み合っているようには思えなくて。すこしヒチコック監督作「引き裂かれたカーテン」のような雰囲気もありますが。

でも、この邦題「絶壁の彼方に」も罪作りのような感じがします。原題は「State Secret」と言って訳せば"国家機密"なのでかなり過剰包装な感じでね。又、50年製作なので、さすがの大英帝国も先の大戦の余波で、画面が貧弱な処もあったりして…

そういう意味で残念な映画のように感じます。でも、このストーリーは素晴らしいと思います。だから、現在のSFXで誰かリブートしてもらうと良いかもしれません。例えば、90年代のブライアン・デ・パルマとかマーティン・キャンベル辺りが監督したら結構いけるんじゃないかと。

もう一つ、ジャック・ホーキンスが敵役としてなかなかいい演技を見せているところが素敵ですね。私、この男優「アラビアのロレンス」「戦場にかける橋」等見ていますがこれと言った印象深い役が無くてなぜ皆が褒めるのか良く分かりませんでしたが、この作品を見て、彼の良さが理解でしました。

監督、脚色はシドニー・ギリアット、「バルカン超特急」「ミュンヘンへの夜行列車」の脚本が有名な方です。

このブログ作成にVODにて鑑賞しました。              八点鐘

www.youtube.com

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