レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ル・ジタン」(1975)です。
映画は、ヤン(ポール・ムーリス)が宝石店の金庫破りをして、明け方帰宅すると彼の若妻は男と電話しており些細なことから喧嘩となり、誤って彼女はベランダから落ち、ヤンは仕方なく逃亡する。ジタンと呼ばれる男(アラン・ドロン)は、静かに暮らしているが官警の執拗な追及を受け他国に逃げる逃亡資金を得る為、ニースの郵便局を襲う。
逃亡中のヤンとジタンは、互いに知らずして近くに潜んでいた。ジタンの仲間が入ったレストランにはヤンを追跡していたブロー警視の部下が張り込んでいたのだった…
渋いポール・ムーリス(「ギャング」「影の軍隊」)、渋いマルセル・ボズフィ(「ギャング」「Z」「フレンチコネクション」)、アラン・ドロン負けずに渋い、紅一点鉄火肌の女アニー・ジラルドがとても頼もしいフイルム・ノワールです。
当時、アラン・ドロンは飛ぶ鳥を落とすほどの人気絶頂で、ロマ族出身のギャングを演じるなんて、人気絶頂の成せる業でしょう。監督は「ベラクルスの男」「ラ・スクムーン」のジョゼ・ジョバンニ、うーん、美しいです。
警官隊に囲まれた屋敷からカワサキH2-B750をウィリーで脱出するジタンは、物凄く決まっています。又、ポール・ムーリスが良いですね。叩き稼業を生活の糧として金庫破りを行う男、オシロスコープで金庫のダイヤル音を確認しながら廻し、金庫を開けるワルを楽しそうに演じています。
ハリウッド映画の様に派手さはありませんが、いぶし銀の様に輝くフイルムノワールです。ポール・ムーリスが好きな人、マルセル・ボズフィーのあの犯罪者のような顔が好きな人、「若者のすべて」でアニー・ジラルドのファンになった人、勿論アラン・ドロンが大好きな人、決して失望されることは無いと思います。是非、御鑑賞ください。
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鐘
追記 音楽はクロード・ボーリング、ジャンゴ・ラインハルトの名曲を使用してなかなか好いムードで…