レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「アラトリステ」傭兵隊長アラトリステを描いた久々に現れた西洋剣劇の力作…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「アラトリステ」(2006)です。

17世紀スペイン、傭兵隊長アラトリステ(ヴィゴ・モーテンセン)の半生を描いた作品で、ネーデルランドでの戦い、ブレタの包囲戦、オランダ私掠船での戦い、ロクロワの戦いを戦死するまでのアラトリステの生き方、女優マリア・デ・カストロとの愛情、オリバーレス公伯爵の腐れ縁を描いた作品です。監督はアグネスティン・ディアス・ヤネス、かなりの力量の持ち主のようです。

このスペイン映画、スペインで有名なアウトゥーロ・ペレス=リベルテ著「アラトリステ」を映画化した作品ですが、意外な拾い物どころか惹かれるぐらい良いんですね。何か良いのかと言うとその映画全体の時代考証が素晴らしいと思います。

勿論、私はスペイン帝国の歴史考証家でもありませんが、登場する剣、短剣、衣装、マスカット銃、前装砲、甲冑、長槍、公伯爵と謁見する部屋の造形等いかにもと言う感じで嬉しくなります。同様な「デュエリスト/決闘者」「キングダム・オブ・ヘブン」「ラスト・オブ・モヒカン」「影武者」「黒衣の刺客」等この手の時代劇、久々の登場で嬉しくなります。

全編ロケ撮影のようで、自然光のみで撮影しておりそれがとても魅力的でたまりません。加えて映画、冒頭の左手にマスカット銃の導火線を巻き付けて銃を高く上げて川を渡るシーン、前装砲の点火口に釘を打ち込んで使用不要にするシーン、サーベルでの決闘、二刀流なんですね。知らなかった、こういうシーンも美しいです。

ブレタの包囲戦で鉄製のカップに生卵とパン屑を掻き混ぜるだけの食事、特に素晴らしいのは、ロクロワの戦いで長槍を用いたファランクス方陣とフランス軍重装甲騎兵の戦いでこんな映画見たことありません。美しいの一言です。

ただ、私達日本人はこの時代のスペインについて知識が乏しいので、一回見ただけでは分かり難く、もう少し丁寧に物語を描いて欲しいと思います。その辺りがこの映画の欠点ですが…

でも、ラストの戦闘シーンは素晴らしいと思います。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。            八点鐘

 

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