レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「日の名残り」溢れ出るブリティッシュネス(英国らしさ)が魅力の素晴らしい映画ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「日の名残り」(1993)です。

映画は、1958年ダーリントンハウスの主人は米国政治家ルイス氏に替わった。彼はその昔ダーリントン卿のその親独政策をルイス氏に窘められ、その後の大戦の結果、彼は失意のうちに亡くなった。ベテラン執事スティーブンス(アンソニー・ホプキンス)は、ルイス氏の期待に応える為、人員を刷新するためにあの女中頭ケントン(エマ・トンプソン)に会いに行くことをルイス氏に願い出る。彼は彼女が住んでいるクリーブトンへ向かう。それはある意味贖罪の旅でもあった…

"ブリティッシュネス"(英国らしさ)に溢れたドラマであり、とても良い味が染み出たドラマになっています。だいたい、スティーブンスがあの名車ダイムラー・ライト・ストレート・エイトに乗り込んでクリーブトンに向かう辺りから、もう涙物のドラマですよね。この車のセレクトも素晴らしいし、ホプキンスが淡々と運転し行くシーンなんかとてもいい味が出て、田舎のパブでの会話とか、ダーリントン卿がチェンバレン派に属し、英国の対独政策「ミュンヘン協定」に与した事等が描かれ、ナチス政権の本質を見抜けなかったことが描かれ、なかなかうまく纏めていると思います。

ケントン女史と会い、互いにダーリントンハウスで働いてくれるように頼むが、娘の妊娠を理由に断られ、優柔不断と後悔を感じ取る二人であった。失意の内に別れる二人のシーンが渋くて渋くて…

いや、アンソニー・ホプキンスとエマ・トンプソンが素晴らしいと思います。特にホプキンスはあの「冬のライオン」「八点鐘が鳴るとき」からずっと彼を知っているので、まさか、彼がここ迄成長するとは信じられませんでした。

いや、本当に凄い役者に成長したんだと改めて感動しました。これからも頑張って欲しいと思います。原作はカズオ・イシグロ、監督は最近は若干緩くなっていますが「ハワーズ・エンド」のジェームズ・アイヴォリー。

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。        八点鐘

 

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