レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「(r)adiusラディウス」ユニークなスタイルを持ったSFサスペンス映画ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「(r)adiusラディウス」(2017)です。

男(ディエゴ・クラテンホフ)は交通事故から目を覚ます。何が何だか分からなかった。どうやら15メートル以内に人間又は動物が近づくと即死するようだ。車を得てその辺りの家に侵入する。やがて夜になり、彼の処に記憶喪失の女性が現れる。近くに来るなと叫んでも、その女性はやって来た。死ぬことも無かった。二人はその原因を調べるべく活動を始めるのだった…

導入部がなかなか面白い映画です。あのロバート・ワイズ監督「アンドロメダ…」を彷彿とさせます。サスペンスの神様ヒチコック氏によれば、この手の特殊なシュチエーションで映画を製作するのは、賢明ではないそうです。それはその特殊なシュチエーションの説明が必要なので、それが映画のリズムを殺すと言っています。でも、この映画のリズムを殺すこと無く、上手く説明しているところは流石です。

加えて、この作品はローバジェット映画なのでそこを逆手にとって上手く映像化しています。例えば、ほぼ登場人物は二人で、金の掛かる撮影は少なく、でも上手く構図を押さえて、貧乏臭く見えない様に頑張っているところが良いと思います。

又、何か度肝を抜く様なプロットですが、前述した様にそのくだりを丁寧に説明しています。そこがこの映画の美点だと思います。とてもうまく纏めています。監督はキャロライン・ラブレシュとスティーブ・レナードとお二人さんで、どこをどのように担当したのか分かりませんが、中々の腕前をせてくれます。もっとバジェットがあれば、もっともっと面白い物が作れそうな感じがします。この手の編集に凝った映画って私、大好きなのです。時制が前に行ったり後ろに行ったりするのは、映画だけですから。

ただ一つ不満を言わせてもらえば、このストーリーが少し暗いですよね。ラスト、もう少し明るい物にして貰えば、もっと良かったと思いますが…

この手の低予算SF映画、当ブログでも「スターフィッシュ」「ミッドナイト・スペシャル」等紹介していますが、この作品の方が巧く纏めていると思います。この監督、何れブレークするかもしれませんね。

このブログ作成にVODにて鑑賞しました。アマゾンプライム会員であれば、無料で鑑賞できます。                           八点鐘

 

追記 この作品、良く訪れるブログ"あなたの知らないワゴンセールの世界"で知りました。興味を持たれた方は訪れて見て下さい。勉強になります。

 

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