レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ロリータ」(1962)です。
大学教授ハンバート(ジェームズ・メイソン)は、米国の大学で講義をする為フランスからニューハンプシャー州ラムズデールにやって来た。ある下宿先で何とも言えない魅力を持った美少女ロリータ(スー・リオン)に巡り会った。ハンバートはそこを下宿として決めた。そこは母子家庭で、ロリータの母シャーロット(シェリー・ウィンターズ)は夫に先立たれて欲求不満の様な感じであった。
そんな中ハンバートとシャーロットはやがて結婚するが、些細な事で喧嘩となり、彼女が通りに飛び出して車に轢かれ死亡する。ハンバートは以前から願っていたロリータと二人だけの世界に浸れると思いきや…
キューブリック映画の中で最も語られない作品、評判の悪い「ロリータ」を鑑賞しました。その昔、ある著名な映画評論家は、この作品を評して「巨人阪神の延長戦の様な映画」と言っていました。意味もなく、ダラダラと締まりなく続く映画と言いたかったのでしょう。
それは良く判りますが、私の第一印象は丁寧に作られた良い映画、製作された時代が時代なのでその手のが殆どなく、原作を読まれた方がこの作品を見た場合、期待値を満たしていないと感じるのではないでしょうか。
読みたいタイプの原作ではありませんので、私は原作を読んでいません。どうのこうのいう資格はないかも知れませんが、ただアッパーミドルクラスの主人公が自分の欲望を押さえることが出来なく、それを追求することで転落し、哀れな終末を迎えるという悲しさ、寂しさはとても良く表現されていると思います。
前述した様に小児性愛描写は希薄ですが、人生の悲しさ、哀れさはとても良く表現されていると思います。ある意味、キューブリックの遺作「アイズ ワイド シャット」より解りやすいし、良く出来ているのでは感じた次第です。でも、彼の本領はこの手の映画ではなく「2001年宇宙の旅」とか「時計じかけのオレンジ」等ですね。
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鐘
追記 ジェームズ・メイソン、シェリー・ウィンターズ、スー・リオンはいずれも良いですね。ピーター・セラーズは上手いけど、少し鼻につく感じですね。
1997年にエイドリアン・ライン監督のリブートもあり鑑賞していますが、あまり記憶に残っていませんが。
www.youtube.com 97年版予告編