レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「墓場なき野郎ども」(1960)です。

フランスからイタリアへ逃亡していたワル、アベル(リノ・バンチュラ)は叩きを仕事にしていた。欠席裁判で死刑を言い渡されていたので相棒レイモンと共に集金の現ナマを奪いフランスへ向かう。途中妻テレーズと子供達も合流しサンレモへ。ボートを盗み、ニースに向かうが、岸にはフランス警察が待ち構えており銃撃戦に、妻とレイモンがお陀仏になり、彼と二人の子供が生き残った。彼はパリの昔仲間へ連絡を入れるのだが…
クロード・ソーテ監督のフィルム・ノワールです。どちらかと言えば、大人の恋愛ドラマが得意な監督で、私、ソーテ監督のフィルム・ノワール作品が有ること知りませんでした。当ブログでは彼の作品「愛を弾く女」をご紹介しています。
この作品ですが、とても良いんですね。素晴らしいです。冒頭、アベルとレイモンの叩きからボートを奪いニースでの銃撃戦、製作年代が古いのでそんなに迫力はありませんが見せてくれます。そしてパリからエリック(ジャン=ポール・ベルモンド)が迎えに来る。
パリの方では、厄介者のアベルをどう始末するかと組織の者たちが策を練っており、この辺りの展開があのメルビィル監督「ギャング」と何やら似ていて、どちらも脚本はあのジョゼ・ジョバンニ。
又、アベルの行動が良いんですよね。俺はワルだが、人の道を外れたことはしないとばかりに行動規範?の様なものを内包しており、それがこの"フィルムノワール"を眩いばかりに輝かせている様に感じます。いや、フィルムノワールって良いな。
ラストは、人の道を外れないアベルがサラリと報じられて…うーん、美しいです。
このブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鐘



