レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「未知への飛行」シドニー・ルメット監督のぞっとするような重い重い力作ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「未知への飛行」(1964)です。

 

米空軍ブラック准将(ダン・オハーリー)は、最近よく見る残酷な闘牛の夢を見ていたたまれなくなって目覚めた。今日はワシントンで会議があるため専用機で会議に向かうのだった。そんな時、米空軍の早期警戒レーダーが未確認機を発見するが、コースを外れた民間機と確認されるが、コンピュータ・エラーが解消されない為、そのユニットを交換したのはいいが、誤って米空軍戦略爆撃機隊グループ6へモスクワ核攻撃命令が送信されてしまうのだった…

久々に再見しました。とても疲れます、この映画。ユージン・バーティックとハーヴェイ・ウィラーの小説「フェイルセイフ」を映画化した作品です。同じ題材を扱ったあのブラックコメディ映画「博士の異常な愛情」と比較すると、真摯に製作されたとても良い映画ですが、題材が題材なので見終わるとぐったりとします。暫くはこの手の映画を見たくないなと感じ入る次第です。原作通りのラストだと思いますが、このラストがとてもとても重く、且つ何か白々しくて…

対して、キューブリック作品はラストをうまく回避して傑作ブラックコメディになっておりとても旨く仕上げて、勿論ラストはとても嫌ですが、再見に耐えることが出来る映画になっています。

但し、この映画にも政治学者グローテシュレ博士(ウォルター・マソー)が登場し、その非情な国家戦略と言うか政治哲学がなかなか素晴らしく、こんなもんだろうなと感じ入る次第です。ここは見どころと言って良いでしょう。うーん、美しいです。

私は、この映画を見ていてルメット監督が悪いのではなく、題材選びに失敗していると感じました。彼には不向きの様な題材だと思います。

例えば「博士の異常…」では戦略爆撃機B-52を丁寧に扱っていますが、この作品ではそこらの映像をさっとインサートしているだけで… 題材が合っているかどうか、まあ、こういう処に差が出てくると思いますが。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。             八点鍾

 

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