レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ミシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽家」(2025)です。

映画は、2019年に他界したミシェル・ルグランの70年余りの音楽活動について、特にヌーベルバーグにおける音楽活動、ジャック・ドミー作品におけるコラボでフレンチ・ミュージカルへの貢献、ハリウッドに渡りあの「華麗なる賭け」等精力的に非ハリウッド的な映画音楽の創造に尽力したこと等をインタビューして本人の口から色々と聞き取っており、ルグランに興味のある方には宝物の様な作品になっています。
いや、この作品、あまり紹介されていないのでどうなのかなと思い、劇場へ行き鑑賞しました。数年前にご紹介した「モリコーネ 映画が恋した音楽家」と対になるドキュメンタリー映画になっています。
モリコーネの場合は、映画音楽イコール伴奏音楽であった地位を如何に向上させるかといつも考えていたが、彼の場合は作曲家とジャズプレイヤーの二つの顔を持っていたので、如何に観客を楽しませるかと言うスタイルで描かれています。だから、モリコーネは楽譜を描きタクトを振るだけでしたが、ルグランは楽譜を描きピアノを弾きまくるという違いがあり、いや、ルグランの方が何かしら楽しそうで、うーん、美しいです。
特にハリウッドに渡ってから、あの「華麗なる賭け」でアカデミー賞を得て、トントン拍子に行くところが鬱病に罹るのだが、完治して再び作曲家として歩みだす。
いや、大変な人生ですが、彼自身は何やら楽しそうな感じで…と言うドキュメンタリー映画です。
私はとても楽しく鑑賞しました。
映画の中で92年と2018年来日していると言っていましたが、一度行きたかったな。私、彼のレアな作品「北極の基地 潜行大作戦」(映画の中ではチラリと登場するので嬉しかった)とか、「大反撃」が好きなんですよ。
勿論、「風のささやき」とか「栄光のル・マン」も素晴らしいですが。 八点鍾
追記 フランスの監督では、ジャン=ポール・ラプノー監督とのコラボが多いと、ラプノー監督良いですね。



