レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「引き裂かれたカーテン」(1966)です。

国防省ガンマ5計画が中止となり意気消沈のマイケル(ポール・ニューマン)と婚約者セーラ(ジュリー・アンドリュース)はコペンハーゲンで開催される国際会議に出席する為デンマークに向かっていた。マイケルはコペンハーゲンに到着するや否や、東ベルリンへ向かった。彼は東ベルリンへ向かった。驚いたセーラは彼の後を追い、東ベルリンへ向かうのだが…
1966年のヒチコック監督作品です。当時は007シリーズのスパイアクションが大成功を収めており、サスペンススリラーの巨匠であるヒチコック監督もこの手のエスピオナージサスペンスを製作する必要があったのでしょう。「私ならもっと上手く創るよ」と。
が、批評家の評判は良くなかったそうです。
今回再見して、私は見直しました。そりゃ、「めまい」の様な目を見張る様な素晴らしさはありませんが、やはりヒチコツク監督、"π"なる脱出ネットワークが登場する辺りからサスペンスの連打で、その昔見た時と大分印象が異なりました。保安員グロメクに偽装亡命と気付かれた辺りから、サスペンスの連打で楽しめます。グロメクとの対決、レンジの使い方が良いと思います。
カール・マルクス大学でのリンツ教授から巧みに方程式を引き出し偽装バスでライプツィヒからベルリンへ逃走するシーンもサスペンスの連打で、特に乗り込んできたシュタージを欺くために煙草を差し出し、自分身体でマイケルの顔を隠すシーン等とても旨くサスペンスを盛り上げています。
更に、バレエ団荷物に隠れて脱出する為会場でバレエを鑑賞している時、バレリーナがマイケル達を発見する辺りのモンタージュ等驚く程効果を上げています。うーん、美しいです。
このヒチコック監督のエスピオナージスリラーはとても楽しめました。一つだけ不満を言えば、ジュリー・アンドリュースぐらいかな、自然で好い演技をしていますが、ヒチコックタイプのヒロインには見えません。まだ、ティッピ・ヘドレンの方が良いように思いましたが。
このブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鍾







