レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「遠い山なみの光」(2025)です。

1982年英国の片田舎で暮らす悦子、娘ニキが母を訪ねてロンドンからやってきた。悦子は先の大戦で原爆を投下された長崎で英国男性と知り合い、英国で生活するようになった。ニキとは上手くいっているが、時々話が合わないことがある。悦子は今の家を売り別の場所で生活することを考えていた。ニキは母を人生の歩みをテーマにした小説を書こうとしていた。母は時々長崎で起きたことを思い出すのだった。37年前、長崎に住んでいた悦子(広瀬すず)は、鉄筋アパートの窓から河川敷に建てられた木造の粗末な家をぼんやりと眺めていた…
戦後の長崎が舞台となれば、やはり原爆が前面に登場します。あの黒澤明監督「八月の狂詩曲」の様に。
この映画のユニークなところは、主人公悦子が現在英国で生活しており、時々その昔長崎で生活していたことを思い出すというスタイルで描いているところで、その回想が本当なのか、自分で作り上げているのかというスタイルを用いているところで、まあ戦後間もない、特に生活基盤が木っ端微塵に粉砕された長崎では、余り思い出したくない過去を少し捻じ曲げたいと考えるのは良くあることだと考えます。
そういうタイプの映画なので、ミステリー味がちょっと強すぎて、あの原爆による生活破壊の苦しさが上滑り気味の様に思われ、何か印象が散漫になったように感じます。
それ故、前述した「八月の狂詩曲」のラスト、土砂降りの中認知を患った老母が外へ飛びだし孫達が追っかける様に連れ戻しに行こうとするラストの方が好きですが。
でも、SF映画「不都合な記憶」「アーク」よりは好きで良く出来ているように思います。大変だと思いますが、力のある監督なので頑張ってもっと良い映画製作して欲しいと思います。
このブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鍾




