レタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「クローサー」(2004)です。
主な登場人物は4名、ジュリア・ロバーツ扮するアンナとアリス(ナタリー・ポートマン)、ジュード・ロウとクライブ・オーウェンのみ。パトリック・マーバーの戯曲の映画化。
ロンドン。アリスは道を横断するときタクシーと接触し負傷する。ダン(ジュード・ロウ)は彼女に駆け寄ると、アリスは答える。
「ハロー、ストレンジャー?」
二人は知り合い同棲し始めるが、ダンは写真家アンナの処でポートレイト写真を撮影している処に、仕事を終えたアリスが現れ、アンナとダンの関係を感づくのだった。
ダンはネットでチャットを楽しみ、時々悪ふざけをする。今日は医師のラリー(クライブ・オーウェン)をおちょくり、息抜きに水族館に来ているアンナをラリーに引き会わせる。
物語は、この4人の愛を巡る真実と葛藤の物語。監督がマイク・ニコルズなので演出が上手い。大きな口を開けて笑うジュリア・ロバーツなどしんみりとした演技で、一皮剥けた様。ライカM6を構えて、ダンとの関係に気付くアリスが涙を滲ませながら、シャッターを押す表情など驚いてしまう。
とはいえ、現代の物語なので、セリフの一部はかなり卑猥のものだが、それがいいアンセントになっている。音楽の選曲、インテリア、構成などセンスも良く、ラストまで上手く纏め上げられている。
例えば、似たような作品キューブリック「アイズ・ワイド・シャット」と比較すると、全体にプロットが古めかしくて、中々のれませんが、この作品は、現代のある一面を上手く表現している。作品としては、キューブリックの方が優れていますが、その時代性はこちらの方が優れていると思います。
このブログを作成するにあたり、BD版を鑑賞しています。 八点鍾
追記 日本での雑務を終え、再びホーチミンの雑踏、喧騒の中に戻ってまいりました。
今後とも宜しくお願いします。