レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「スノー・ロワイヤル」"最強親父"リーアム・ニーソン主演のノワールアクション映画ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「スノー・ロワイヤル」(2019)です。

コロラド州キーホーと言う小さな町に住むコックスマン(リーアム・ニーソン)は、人々の為に除雪車で仕事をして名誉町民として尊敬されていた。そんな彼の息子カイルはデンバーの麻薬カルテルに間違えて殺害されてしまう。カルテルに殺されたことを知ったコックスマンは、短銃身ライフルを造り3人の容疑者を問答無用で始末してしまう。カルテルのボス、カルコートは三人の子分の殺害者を探し始めるのだが…

監督はハンス・ペテル・モランド、ノルウェーで2014年に監督した「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車」をハリウッドでリメイクした映画です。正直、中々の力量の持ち主だと思います。

あの「96時間」から始まるリーアム・ニーソンの"最強親父"物の一つです。でも、この作品、少し味わいが違います。そうですね、"コーエン兄弟"スタイルというかタランテーノのような味わいもあり、全体にブラックユーモア味もです。

冬季のデンバー近郊のキーホーという町でのお話なので、特に雪山シーンが素晴らしく、絵、構図もなかなか良くて、且つキャスト、そのプロットもなかなか面白くてサスペンスも効いており、ラストも面白い。

カルコートの手下が言う、20ドル札でホテルで女性客室係を落とす方法の小咄など人を食ったような話ですが、良く映画に馴染んでいるように思います。馬鹿々々しいですが笑えます。

こういう映画を見ていると、やはり映画に必要なのはホンと演出力だ、と感じ入る次第です。個人的には、月に1本程度この手の映画が鑑賞できると、私は本当に至福な時間を送れるなと感じました。

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。             八点鐘

 

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「ゆりかごを揺らす手」カーティス・ハンソン監督の良く出来たサスペンスショッカーですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ゆりかごを揺らす手」(1992)です。

二人目の子供を妊娠したクレア(アナベラ・シオラ)は、産婦人科医で診察を受けるが素手で身体を触られ、その産婦人科医を訴えた。彼はその件で自殺をした。

クレアには二人目が誕生したので、住み込みのベビーシッターを雇うことになった。やって来た女性はペイトン(レベッカ・デモーネイ)と言い人当たりの良い人だったが、彼女は自殺した医師の妻であり、その復讐のためにやって来たのだった…

多くの映画ファンがこの作品でカーティス・ハンソン監督の名を憶えたことだと思います。とても良く出来たサスペンスショッカーで、後半サスペンスたっぷりでこの手の映画が好きな方は歓喜の声を上げたことでしょう。私もその一人ですが。

加えて、結構重要な役でジュリアン・ムーアがスクリーンに登場します。BMW735iを乗り回す、嫌みと言うか少し根性が曲がった不動産会社社長としていい感じです。頭の回転が良いので、ペイトンの素性を見抜きにクレアに連絡しようとしますが、ペイトンが仕掛けた植物用温室の天井窓を利用したブビートラップに嵌まり、お陀仏になってしまうのが残念ですが。

後半、特にクレアがペイトンの正体を暴いてからのショック演出がなかなか良く出来ており、例えば赤ちゃん用泣き声用スピーカーの使い方などなかなか良いと思います。うーん、美しいです。少し古い作品ですが、なかなか良く出来ているのでご紹介しました。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。            八点鐘

 

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「幸せはパリで」カトリーヌ・ドヌーブ&ジャック・レモンのロマンチックコメディですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「幸せはパリで」(1969)です。

 

 

ウォール街で働くハワード(ジャック・レモン)は投資部長に昇進した。その日はオーナー社長ガンサーの高層マンション宅でパーティが開催され、ハワードも招待された。そして、彼は美しいフランス女性カトリーヌ(カトリーヌ・ドヌーブ)に一目惚れ。彼女も夫ガンサーに愛想を突かしており、二人は意気投合してパリで新生活を営むために空港に向かおうとするのだが…

時はニューシネマ全盛期、何かとぼけた様な味のコメディです。監督があの「暴力脱獄」のスチュアート・ローゼンバーグで、ジャック・レモンと全盛期のカトリーヌ・ドヌーブが共演する異色の作品になっています。少し場違いな感じですが。

又、脇が結構良いんですね。ピーター・ローフォード、マーナ・ロイ、シャルル・ボアイエ、サリー・ケラーマン等で、あの"ホット・リップス"がレモンの妻役でなかなか見せてくれます。うーん、美しいです。

全体に緩い作品ですが、一番美しい頃のカトリーヌ・ドヌーブとブレーク前のサリー・ケラーマンを見ることが出来れば、まあハッピーですよね。どちらかと言えばサリー・ケラーマンの方が弾けていたようで。頑張れ、世紀の美女カトリーヌ・ドヌーブ!!

主題歌"エイプリルフール"は、作曲バート・バカラック、ハル・デービツド、歌はディオンヌ・ワーウィック。名曲ですね。では、パリでお幸せに…

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。         八点鐘

 

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追記 ローゼンバーグ監督はやはり「暴力脱獄」「マシンガン・パニック 笑う警官」等の系統ですね。

 

「汚名」ヒチコック監督のサスペンスフルなエスピオナージスリラー

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「汚名」(1946)です。

                           

FBI捜査員デヴリン(ケーリー・グラント)は、ナチスの協力者で有罪判決を受けたフーバーマンの娘アリシア(イングリッド・バーグマン)に近づく、それはブラジルに隠れているナチ残党グループの動向を調査する為だった。アリシアは嫌がったが、渋々デブリンに協力し、ナチ残党グループのセバスチャン(クロード・レインズ)に近づくのだった…

若い頃鑑賞した時は良く出来ているなと言う程度でしたが、あのトリュフォー監督著「映画術ヒッチコック/トリュフォー」を読んでから見方が変わりました。何か惚れ惚れする様な映画であることが漸く理解できました。

特に、映画中盤セバスチャン邸で催される晩餐会での酒蔵室の鍵のサスペンス、ヒッチタッチの素晴らしさには驚かされます。カットと言い、アングルと言い、もう時代を超越しています。こういうサスペンスは凄いの一言です。

オマケに、アリシアとデヴリンのラブロマンも絡み合って、うーん、美しいです。加えて、キスの3秒ルールを嘲笑うかのような2分半のロングキスシーン等とても素晴らしい効果を上げています。

ラストも、下手なアクションよりもサスペンス重視のテイクで、美しいです。ケーリー・グラントも悪くありませんが、特にイングリッド・バーグマンが素晴らしいと思います。同時期の「カサブランカ」「誰がために鐘は鳴る」より私はこちらを選びます。

 

ブログ作成にBD輸入版を鑑賞しています。国内盤を所有していますが、画質が悪く我慢できなかったので最近クライテリオン版を購入しました。画質は比べ物になりません。

 

追記 その後、ハリウッドを飛び出しロッセリーニ監督の下へ。が、再びハリウッドに戻ります。色々な作品に主演後、遺作はベルイマン監督「秋のソナタ」でした。

 

 

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        バーグマン主演映画でこの作品が、好きですが









「探偵 / スルース」探偵ゲームが血のゲームに変貌する時は…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「探偵/スルース」(1972)です。

やり手の美容師ティンドル(マイケル・ケイン)は、不倫相手の夫ワイク(ローレンス・オリヴィエ)から呼び出されて、彼の邸宅へ赴いた。ワイク曰く「妻の浪費癖にホトホト手を焼いた。私にも愛人がいるのできみに譲ってもいい。付いては自宅金庫にある宝石を盗んでくれないか?宝石は保険に入っているので私の腹は痛まないと。」と持ち掛けてきた。渡戸に船とばかりにティンドルは彼の言うとおりに宝石を盗み出すのだが、それはワイクの罠で、妻を寝取られたという傷付けられたブライトを癒すための手の込んだ芝居だった。ティンドルは命を助けてくれるように懇願するが、ワイクはリボルバーのトリガーを引く。

その後、ワイクの下にドップラー警部が訪ねて来る。彼はティンドルと言う美容師が行方不明になっているのでその足取りの調査に来たというのだが…

映画はたった二人の主演で、監督があの「イヴのすべて」「五本の指」のジョーセフ・L・マンキーウィッツ、アンソニー・シェーファーの戯曲を映画化した作品です。

多分、初めてご覧になる方は驚くことでしょう。そのプロット、ワイク邸の趣味性たっぷりの素晴らしいインテリアというか怪しい人形達に、私もそうでした。

が、今回再見して、全体に冗長、特に前半が冗長気味で、加えてこのマンキーウィッツ監督ですが、あまりサスペンス演出にキレがなく、どちらかと言えばそのワイク邸のインテリア、ジョン・アディソンの音楽が演出の物足りなさを補っているように感じました。但し、英国人の特有の底意地の悪さは良く描けていると思いますが。

初見の方は結構気に入ると思います。その音楽、コール・ポーターの歌が良いんです。その趣味性たっぷりのワイクの部屋に、これは本当に堪りません。美術監督はピーター・ラモント、うーん、美しいです。

スパイ映画の古典と言われる「五本の指」も鑑賞していますが、私は感銘を受けませんでした。ヒチコックの方が遥かに素晴らしいと思いますが。

このブログ作成にDVD輸入盤を鑑賞しています。国内盤は今の処見たことありません。

                                八点鐘

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追記 この映画、2007年にリブートされていますが…

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「メメント」第2作に記憶障害というテーマを選ぶノーラン監督ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「メメント」(2000)です。

レナード(ガイ・ピアース)は、妻が殺された過去を持ちそのショックで記憶障害が起き、約10程しか記憶を維持できない男だ。そんな彼がある場所で男を射殺する。それは真実なのか記憶なのか、理解できないが自分の身体に記憶されている証拠、それは入れ墨でもあり、自分が持っているポラロイド写真、メモ書きを基に調べ始めるのだった…

こんな感じで何が始まるか判らない様なプロット、こういうのって映画になるのかなと思いながら見ていると、結構すんなりと纏めているのには驚きました。ノーラン監督って、上手いですね。又、テクニシャンですね。あのヒチコック監督「白い恐怖」の様で、勿論味わいは違いますが。うーん、美しいです。

ガイ・ピアースを始めとするキャストも良くて、レナードの妻にジョージャ・フォックスを数ショットですが起用しているも良いですね。「フォロウィング」「インソムニア」「インセプション」「テネット」等ノーラン監督独特の世界観、混乱した非線形時間軸の世界が構築されています。

聞くところによれば、ノーラン監督はニコラス・ローグ監督「ジェラシー」がお好きだとのこと。あまり知られていないこの作品も非線形時間軸のラブロマンスで、成程ね !と納得した次第です。但し、ノーラン監督の方が構成が巧み、緻密だと思います。

こういう作品なので、何回も鑑賞すると色々なお楽しみなショットが待ち受けているのでしょう。ファンにはそれが堪らないのだと思います。

このブログ作成の為、作品をVODにて鑑賞しています。        八点鐘

 

 

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www.youtube.com    白い恐怖 予告編

「ゴーリキー・パーク」マーティン・C・スミス著の原作を映画化したノワールスリラー

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ゴーリキー・パーク」(1983)です。

ソ連モスクワのゴーリキー公園で三人の射殺死体が発見されて民警レンコ大尉(ウィリアム・ハート)が担当になった。当日、鑑識が来る前にKGB捜査官が殺害現場を荒らす有様に耐えるレンコだったが、上司主席検察官アンドレイ(イアン・バネン)になだめられ捜査に任ることになる。死体のうち一人は女性でいづれも顔を剝がされていた。

二人の男性死体の一つは外国人と言うことが判ったので、外国人と女性の顔の復元をレンコは友人のアンドレーエフ教授にお願いするのだった…

モスクワが舞台の異色の警察映画で、何故か、この映画は日本では劇場公開されませんでした。後に販売されたビデオかテレビ放映でご覧になった方が多いのではと思います。監督は「アガサ 愛の失踪事件」「007 ワールド・イズ・ノット・イナフ」のマイケル・アプテッド。

久々に鑑賞しましたが、なかなか良いですね。演技派ウィリアム・ハートも良いし、上司のイアン・バネンも素晴らしい。ロケはモスクワで行いたかったようですが、出来なかったので何時もの様にフィンランドとスウェーデンで行ったようです。雰囲気は良く出ていると思います。非情なラストもいい味が出ており、べらぼうに良く出来た作品ではありませんが、上手く纏めています。

共演は、ジョアンナ・パクラ、ブライアン・デネヒー、リー・マーヴィン等。どこかでDVD等見かけたら鑑賞して見て下さい。サスペンス映画好きであれば、楽しめること請け合いです。

原作はマーティン・C・スミス著の同名小説で、シリーズ物になっています。ですから、次作は「ポーラースター号」です。この映画が大ヒットしたら、間違いなくウィリアム・ハートは次作にも主演したと思いますが、この「ゴーリキー・パーク」はヒットしなくて残念な結果に終わったそうです。

「ポーラースター号」は、レンコがゴーリキー公園での殺人事件を解決したにも関わらず解任されて、オホーツク海の魚処理工場船で起こった殺人事件の解決に任るお話です。レンコ氏は能力はあるのですが貧乏くじばかり引くお方の様で…

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。            八点鐘 

 

 

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