レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「探偵 / スルース」探偵ゲームが血のゲームに変貌する時は…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「探偵/スルース」(1972)です。

やり手の美容師ティンドル(マイケル・ケイン)は、不倫相手の夫ワイク(ローレンス・オリヴィエ)から呼び出されて、彼の邸宅へ赴いた。ワイク曰く「妻の浪費癖にホトホト手を焼いた。私にも愛人がいるのできみに譲ってもいい。付いては自宅金庫にある宝石を盗んでくれないか?宝石は保険に入っているので私の腹は痛まないと。」と持ち掛けてきた。渡戸に船とばかりにティンドルは彼の言うとおりに宝石を盗み出すのだが、それはワイクの罠で、妻を寝取られたという傷付けられたブライトを癒すための手の込んだ芝居だった。ティンドルは命を助けてくれるように懇願するが、ワイクはリボルバーのトリガーを引く。

その後、ワイクの下にドップラー警部が訪ねて来る。彼はティンドルと言う美容師が行方不明になっているのでその足取りの調査に来たというのだが…

映画はたった二人の主演で、監督があの「イヴのすべて」「五本の指」のジョーセフ・L・マンキーウィッツ、アンソニー・シェーファーの戯曲を映画化した作品です。

多分、初めてご覧になる方は驚くことでしょう。そのプロット、ワイク邸の趣味性たっぷりの素晴らしいインテリアというか怪しい人形達に、私もそうでした。

が、今回再見して、全体に冗長、特に前半が冗長気味で、加えてこのマンキーウィッツ監督ですが、あまりサスペンス演出にキレがなく、どちらかと言えばそのワイク邸のインテリア、ジョン・アディソンの音楽が演出の物足りなさを補っているように感じました。但し、英国人の特有の底意地の悪さは良く描けていると思いますが。

初見の方は結構気に入ると思います。その音楽、コール・ポーターの歌が良いんです。その趣味性たっぷりのワイクの部屋に、これは本当に堪りません。美術監督はピーター・ラモント、うーん、美しいです。

スパイ映画の古典と言われる「五本の指」も鑑賞していますが、私は感銘を受けませんでした。ヒチコックの方が遥かに素晴らしいと思いますが。

このブログ作成にDVD輸入盤を鑑賞しています。国内盤は今の処見たことありません。

                                八点鐘

youtu.bewww.youtube.com         画質が良くありませんが…

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追記 この映画、2007年にリブートされていますが…

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