レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「男と女 アナザーストーリー」(2003)です。
あの名作「男と女」のクロード・ルルーシュ監督作品です。彼の作品すべて鑑賞している訳ではありませんが、70年代頃のボーイ・ミーツ・ガールスタイルの楽しい映画です。少し悪口を言えば、私の好きな「男と女の詩」(1973)の焼き直しの様に思いますが、そんなことはここだけのお話。但し、この作品は日本未公開とか以前WOWOWで見たことありますが。
バレンタイン(ジェレミー・アイアンズ)は宝石強盗、変装にたけており相手を上手く言いくるめて宝石を頂く頭脳犯。ガッチリ稼いでヨットで世界一周を夢見て、ヨットを購入、世界一週に出掛け、モロッコに立ち寄る。その時、記憶がぽっかりと無くなりフェズの医者に診てもらうことになる。
ジェーン(パトリシア・カース)は、パリでジャズシンガー、デュオグループ"ソウルシスター"で歌っていたが、パートナーに恋人を取られ、傷心を癒すためにモロッコのホテルで歌う仕事へ。が、少し前から、記憶喪失を経験し始めて、こちらも歌を歌っている時、記憶を失い、そのままホテルから出て何かなんだか分から無くなってしまう。
二人はモロッコで出会い、そしてララ・シャフィアの奇跡で互いの記憶喪失が治ることを信じて訪れるのだが…
ジェレミー・アイアンズとパトリシア・カースがとても良い、加えて彼女が歌うシャンソン、ジャスが。とても良く出来たフランス映画の味わい、時間軸が前に行ったり後ろに行ったりするルルーシュ監督独特のモンタージュが懐かしい。手垢がいっぱあの「男と女」ではなく、「流れ者」「パリのめぐり逢い」「あの愛をふたたび」「マイ・ラブ」「夢追い」「男と女Ⅱ」の頃の味わい、もう、こういう都会的なちょっと小粋な大人のラブロマンス作品って無くなったのかな? 最近は、流行りのLGBTっぽい作品が多くてネ。
この作品を鑑賞して、コロナ禍で大作映画の公開が延期になるこの頃、ほんのちょっとだけ古いフランス映画のリバイバルなんていいなと思った次第。
そうそう、J・P・ベルモンド傑作選2を5月に実施するんだとか。フィリップ・ラブロ監督「相続人」がセレクトされているのが何とも嬉しい限りです。うーん、美しい。
だったらクロード・ルルーシュ監督傑作選なんかも考えて貰えないかな。
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