レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「汚名」(1946)です。
FBI捜査員デヴリン(ケーリー・グラント)は、ナチスの協力者で有罪判決を受けたフーバーマンの娘アリシア(イングリッド・バーグマン)に近づく、それはブラジルに隠れているナチ残党グループの動向を調査する為だった。アリシアは嫌がったが、渋々デブリンに協力し、ナチ残党グループのセバスチャン(クロード・レインズ)に近づくのだった…
若い頃鑑賞した時は良く出来ているなと言う程度でしたが、あのトリュフォー監督著「映画術ヒッチコック/トリュフォー」を読んでから見方が変わりました。何か惚れ惚れする様な映画であることが漸く理解できました。
特に、映画中盤セバスチャン邸で催される晩餐会での酒蔵室の鍵のサスペンス、ヒッチタッチの素晴らしさには驚かされます。カットと言い、アングルと言い、もう時代を超越しています。こういうサスペンスは凄いの一言です。
オマケに、アリシアとデヴリンのラブロマンも絡み合って、うーん、美しいです。加えて、キスの3秒ルールを嘲笑うかのような2分半のロングキスシーン等とても素晴らしい効果を上げています。
ラストも、下手なアクションよりもサスペンス重視のテイクで、美しいです。ケーリー・グラントも悪くありませんが、特にイングリッド・バーグマンが素晴らしいと思います。同時期の「カサブランカ」「誰がために鐘は鳴る」より私はこちらを選びます。
ブログ作成にBD輸入版を鑑賞しています。国内盤を所有していますが、画質が悪く我慢できなかったので最近クライテリオン版を購入しました。画質は比べ物になりません。
追記 その後、ハリウッドを飛び出しロッセリーニ監督の下へ。が、再びハリウッドに戻ります。色々な作品に主演後、遺作はベルイマン監督「秋のソナタ」でした。
バーグマン主演映画でこの作品が、好きですが