レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「マイブルーベリーナイツ」(2007)です。
この作品は独特な映像美を持つウォン・カーウェイ作品です。彼の場合、クリストファー・ドイルが撮影を担当する場合が多いのですが、この作品ではダリウス・コンジが担当していますが、いつものカーウェイ作品の味が出ていますので安心してください。
映画はNY、カフエ・クルーチから始まります。そこには客から預けられた鍵がたくさんあり、エリザベス(ノラ・ジヨーンズ)はそこでブルーベリーパイとアイスを一緒に食べるようになり、恋人フラれた為、オーナーのジェレミー(ジュード・ロウ)に鍵を託して旅に出ます。
メンフィスでは、彼女はインソムニア(不眠症)になり、日中は食堂、夜はバーで働きます。そこでアニーとスーリン(レイチェル・バイス)のエピソード、ラスベガスではギャンブラーレスリー(ナタリー・ポートマン)のエピソード、そして再びNYと。
メンフィスは得意な赤を基調とした色彩構成で、あの「花様年華」を思い出させるようなエピソードでレイチェル・バイスがとてもいい。比べてラスベガスでは、お話が平板でちょっと物足りない感じがします。又、もう一つエピソードがあってもいいかなと感じます。原作にはローレンス・ブロック(八百万の死にざま)が参加しています。
音楽はライ・クーダー、勿論ノラ・ジョーンズが気怠く歌い、このロードムービィーに華を添えます。
そんな訳で、金城武が主演「天使の涙」の方が若干いいかなと思う次第です。 八点鍾