レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「パリは燃えているか?」(1966)です。「太陽がいっぱい」の名匠ルネ・クレマン監督の大作です。
映画はコルティッツ将軍が狼の巣でヒトラー総統に謁見するところから始まる。暗殺事件後のヒトラーは神経質だが、コルティッツにパリ防衛軍総司令官に任命し、
「連合軍に渡すぐらいなら、パリを破壊しろ」と彼に伝える。
1944年8月、欧州に第二戦線を形成した連合軍は、パリを開放するつもりはなかった。市街戦は被害が多く、得るものが少ない。いち早くベルリンに進撃すれば、やがて、独軍はパリを開放するだろう。が、ド・ゴールはアイゼンハワーに書簡を送り、パリ進軍を要請する。進軍しなければ、仏第2機甲師団だけでも進軍、パリ解放を行うと。
パリではレジスタンス蜂起が始まるが、ド・ゴール派と左派の連携が悪く、又武装も貧弱なため、立ち上がった独部隊の攻撃を受け、孤立。仕方なく、パリ郊外にいるルクレール将軍率いる仏第2機甲師団に密使を派遣し、ルクレール将軍を説得しようとするのだが・・・
抜群に面白い戦争秘話です(ラリー・コリンズとドミニク・ラピエールの同名の小説)。当時の記録フイルムを巧みに利用して、物凄く上手く、その時代を再現しています。加えて、この映画はオールスター映画になっています。
だが、オールスター映画だから、その歴史再現性が損なわれているのでは?と言われる方もいらっしゃるでしょう。細かく指摘されれば、若干損なわれているかと思います。
でも、ラスト凱旋門からド・ゴール将軍がパレードし、ドイツ国防軍軍旗が降ろされ、カメラがグーンと上昇し、パリの街の色彩の俯瞰シーン(映画は最後を除いてモノクロ作品)になる時の感動は格別です。当時、凱旋門辺りには独軍の狙撃兵が多数隠れていたと聞いています。その中を側近を連れてパレードするド・ゴール将軍は立派なものです。
主演者はイブ・モンタン、J・P・ベルモンド、アラン・ドロン、シャルル・ボアイエ、レスリー・キャロン、ゲルト・フレーベ、J・P・カッセル、オーソン・ウェルズ等です。
脚本をF・F・コッポラとゴア・ビィダル、音楽をモーリス・ジャールが担当しています。
ブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鍾