「戦火のナージャ」あのやたら長いだけの「ヨーロッパの解放」より遥かに面白い東部戦線映画ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「戦火のナージャ」(2012)です。

 

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あのバルバロッサ作戦が発動され、怒涛のような進撃を開始するドイツ国防軍、敗走に敗走を重ねるソ連陸軍。うーん、美しいです。

バトル・オブ・ブリテンでは、バタバタ落とされたシュトゥーカ急降下爆撃機が大活躍するんですね、この作品。但し、CGと実物大のモックアップですが。

 

映画は1943年から始まります。前作でコトフを逮捕したデミートリ大佐がスターリンに呼ばれ、コトフは死んでいるのか?生きていれば、捜して引っ張って来いとスターリンに言われる。

この作品、冒頭から笑えるんです。政治犯収容所で鍛えられるコトフ大佐、スターリン憎しの夢のシーンが笑えるんです。映画は1941年と1943年と交互に描かれるので少し分かりにくいかもしれません。

シュトゥーカ急降下爆撃機の攻撃で、コトフの収容所は破壊されるが、流石に歴戦の強者、さっと退避する。残った者は、全てドイツ軍の餌食に。コトフは仲間共に流木にしがみつき、戦線から遠ざかる。

近くでは、ドイツ軍から逃げる為、退却用橋に多数の人間が押し寄せもうメチャクチャ。シュトゥーカが攻撃してきて、ソ連軍は間違えて橋を爆破、多数の人が吹き飛ばされる。

 

ナージャも小さな病院船で対岸に渡るべく退避中に、一人の馬鹿がシュトゥーカに信号弾を上げ、それが偵察員に当り死亡したことから、攻撃を食らい撃沈されてしまう。漂っていた機雷に抱き着いて何とか逃げることができた。

コトフは懲罰部隊に入れられ、最前線に。陣地を構築してドイツ軍機甲部隊を待ち構えるが、なんとドイツ軍は後ろからやって来て、兵士は履帯に轢かれて、懲罰部隊は壊滅…

 

ナージャもロシアの原野をさまよい、ある集落に。そこにドイツ機甲部隊が、遅れた兵士がジプシーを撃ち殺し、隠れていた若い女性がドイツ軍兵士を殺したことから、部隊が戻って来て、あの「炎 628」のような虐殺が…

 

この第二部には、第一部に出てきた午睡のような柔らかな優しい風景、情景が時々インサートされます。それ以外に、出て来るのは無残な死、Ⅳ号戦車に轢かれた挽肉のような死、本当に狂っているとしか思えないスターリン、ドイツ軍兵士しか登場しませんが、すこしユーモアが加味されているので、結構滑稽なのです。

游兵と化したコトフとナージャですが、第三部では要塞攻略戦に参戦するらしいのですが…

 

映画はとても面白く、こんなロシア映画は初めてです。スターリン批判が半端で無いし、もうソ連軍崩壊寸前なのですが、本当に戦争末期の日本軍より酷いぐらい、このドロドロ状態をとことん描くミハルコフ監督の腕前も冴えています。

 

こんな絶望的な状態で、自国民を沢山殺して、ドイツ軍も殺して、最終的に勝利したソビエトって凄い国だと思います。日本にはとても出来ない戦い方だと思います。

この時期、私がソ連に生まれていたら、多分Ⅳ号戦車に轢かれて挽肉になって死んだことでしょう。ワハハハッ、それも人生。

 

とても面白い映画ですが、何か怖い映画です。でも笑える、というこれも又ユニークな映画。監督、主演は前作と同じニキータ・ミハルコフ。

では、第三部「遥かなる勝利へ」をお待ちください。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。     八点鍾

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